▼「データがないうちに理論づけするのは、大きな間違いだ。事実に合う理論をつくり出すのでなく、無意識のうちに理論に合わせて事実をねじ曲げるようになってしまうからね」…「ボヘミアの醜聞」でのシャーロック・ホームズ。▼全く理解に苦しむ事件が相次いだ。その度に、マスコミで専門家(?)が分かったようなことを言う。「時代の当然なる所産であって、充分に予見できたことだ」。▼かつてある売れっ子心理学者は、当人と一面識もないままに結論めいたことを言うのは無理であって、学者の良心に恥じるとまで言い切り、テレビでコメントするのを止めた。大いに感心したが、この度は彼女も登場し、本人と一面識もない筈なのに、何のデータもない筈なのに、断定的にものを言っていた。▼菜園が思うようにならない。これこそ、データに基づいて確立された理論もある。しかし、天候、苗や種の個性、とても理屈通りには運ばない。仕方がない。天候も作物も生き物だから。▼そして、神様の言葉も、それを読む者も、生き物なのだ。