6月17日から18日にかけて第38総会期第2回社会委員会が七尾教会にて開催された。会議の前後には、北陸は能登半島の教会・伝道所の訪問およびフィールドワークが行われた。
訪れた輪島教会、羽咋教会、富来伝道所、七尾教会はいずれも2007年3月25日に発生した能登半島地震で被災した教会・伝道所であるが、教会堂および関連諸施設の再建が果たされた姿を見ることとなった。当該教会の教師および信徒と共に、主の導きをおもい祈るひとときとなった。
震災当時の社会委員会による迅速な対応と支援の呼びかけ、それに端を発する各教区、教団からの支援に対する感謝の意が異口同音に聞かれたことは印象的であった。
フィールドワークとしては、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の公布に伴う、制度変更の要点のレクチャーを受けた。
同時に、教会関連諸施設を訪問し、施設長、職員から今後の可能性と課題を現場の声として聞いた。
見学した施設は次のとおり。(学)羽咋白百合学院ゆりっこ児童クラブ、(学)羽咋白百合学院羽咋白百合幼稚園、(学)七尾学院七尾幼稚園、認定こども園福岡幼児学園〈(学)富山学院福岡幼稚園・(社福)坂ノ下福祉会福岡保育園〉。
北陸電力志賀原子力発電所30キロ圏内にある羽咋市の学校・幼稚園・保育所には、原子力災害時の放射線障害予防薬として安定ヨウ素剤が配布されている。しかし災害時、これを服用させるには羽咋市長による服用許可命令が必要となる。また、幼児に服用させるためには、錠剤の形態をとる安定ヨウ素剤を砕き、適量に分けなければならない。緊急時に有効なものとして機能するのか、子どものいのちをあずかり守る働き人の懸念は絶えない。
厳重に施錠された箱で管理されている安定ヨウ素剤の存在に原子力発電所隣接地域の緊張と、日本国全体で向き合わなければならない諸課題が垣間見られた。
(村上恵理也報)