【4575号】人ひととき 及川美穂子さん

キリスト教保育者として立てられて

美穂子さんは、今年、キリスト教保育者として立てられて六〇年を迎える。
美穂子さんは、はじめから保育者を目指したわけではなかった。文学、特に国文学に魅せられて青山学院の文科に進んだ。しかし、戦争末期の学校では学問を学ぶことは能わなかった。軍事工場、農家での勤労奉仕に明け暮れた。八月一五日が過ぎて、九月にわずかばかりの補習があって卒業ということに。母の故郷に帰省していた折、岩手・水沢教会の保育園での働きの道が開かれた。
保育を専門には学んでいない。試行錯誤のスタートだった。二〇名弱の子供たちを一人で保育した。終戦直後の混乱期、食料面でも、衛生面でも課題が多かった。けれども、美穂子さんには体に染み付いたキリスト教、そしてこの信仰に根ざした保育があった。父、佐野源一郎牧師の転任に伴い、結婚までに四つの教会を経験した。磐井クリスチャン教会、目黒クリスチャン教会、奥沢教会、水沢教会。美穂子さん自身は、目黒クリスチャン教会で幼稚園入園を迎える。また奥沢教会では、日曜学校を通して教会に多く集っていた青年たちから良い感化を受けた。そのような幼児期、少女期のキリスト者との触れ合いが、美穂子さんの保育者としての土台を築いた。水沢教会では、生涯の伴侶となる泰夫氏との出会いがあった。泰夫氏の三鷹・相愛教会着任とともに美穂子さんの武蔵野の地での生活がはじまり、以来五〇数年をこの地で過ごすことになる。
美穂子さんが幼稚園教諭として最初に就任した相愛幼稚園も、後に転任した三鷹小鳩幼稚園も、所謂、教会付属ではない。伝道という面では難しさもあった。しかし、園児が祈りを覚えてくれるのは大切なことと思ってきたと美穂子さんは言う。子供たちの祈りを書き留めた母親たちのメモをうれしそうに見せてくれた。園長を務める幼稚園は創立五〇周年を迎える。

【4575号】四月から更に有利になる 会堂共済組合の制度

全てのご契約について補償対象が広がります。特約の分担金は不要ですが、ご契約更新時から料率が改定され、分担金が変わります。どうぞよろしくお願い申し上げます。詳細は組合事務局までお問い合わせ下さい。

【4575号】出版局からのお知らせ

1997年2月に『讃美歌21』を刊行して以来、今年で8年を迎えます。この間、わたしたちの期待を越えて、何十万という多くの方々に受け入れられていることに大きなよろこびと感謝をおぼえます。
1998年5月、『讃美歌21略解』編集にあたって判明した作者生没年他の新しい情報を加え、若干の誤記・誤植を「正誤表」という形で公表いたしましたが、その後、「ガリラヤの風かおる丘で」(57番)の作詞者 別府信男氏より、歌詞間違いのご指摘をいただきました。『讃美歌21』の校正の際には、先生ご本人もわたくしどもも見落としてしまっていた間違いでした。お詫びして次のように訂正させていただきます。「2節(誤)弟子たちに→(正)弟子たちを」。『讃美歌21』本文は2001年12月発行以降の版から訂正させていただいておりますが、それ以前のものについてはお手数ですが、ご訂正の上お用いくださいますようお願いいたします。
また93―4―1 使徒信条Bの文言についても、従来の教会教育用口語訳どおりであることは、既に各方面にお知らせしておりますが、ここであらためて確認させていただきます。「(誤)マリアより→(正)マリアから」
版によって訂正されているものとそうでないものが混在し、また訂正の周知徹底が不足しており、皆さまにお手数やご不便をおかけしておりますことをお詫びいたします。これを機会に、再度すべての見直しと点検を行いましたことをご報告させていただきます。
今後とも、『讃美歌21』をよりよいものへと整え、普及につとめてまいります。引き続きご理解ご協力を賜りますようお願いいたします。そしてこれからも共に神さまへの賛美の声をあげてゆきたいと願います。
本案内および今後の訂正・変更情報は、ホームページ http://www.bp.uccj.or.jp にも掲示いたしますのでご参照ください。
日本キリスト教団出版局
局長 秋山 徹
日本基督教団讃美歌委員会    委員長 今橋 朗
〒169―0051 東京都新宿区西早稲田2―3―18、TEL03―3204―0482(2005年3月10日~5月9日)

【4575号】教務教師 神学教師からの声

心の隙間
塩見 耕一
(北星学園余市高等学校宗教主任)

北星学園余市高校。この何年か「ヤンキー先生」という愛称で義家弘介先生が話題になった学校です。それ以前から高校中退生や不登校経験者などを積極的に受け入れてきた高校です。
転編入制度を設け、こうした生徒たちを日本全国から受け入れ始めたのは今から十八年前でした。このときからこの学校は全国の若者が抱えている問題の噴出する最先端の場となったのです。暴力、いじめ、などはそれ以前からもありました。そうしたことに逃げずに正面から取り組み、生徒たちと一緒に集団の中で問題を解決してきたという自信があったから新しい歩に踏み出したのです。しかし、そこに集まった若者は義家少年をはじめ心に痛みを抱えやり場のないいらだちを抱えた子ども達だったのです。格闘の日々が始まりました。ありったけの知恵と力を出し合って祈りつつ対決する毎日でした。
時代と共に常に若者を取り巻く最先端の問題がこの学校には持ち込まれてきました。最近の課題は薬物問題と携帯電話の出会い系サイトの問題です。薬物の問題はアメリカなどでは教育の最重要課題として捉えられているということを聞いたことがあります。日本でも若者を取り巻く実態を知れば知るほど、驚くほど身近なところにごく当たり前のように存在しているのです。都会も地方も関係ありません。また、最近は心療内科などで大量に処方される抗うつ剤、睡眠薬などの処方薬乱用も大人が気付かない間に急速に広がっています。また、携帯電話から気軽にアクセスできる出会い系サイト、そこにもお金をほしがる女の子の心の隙間につけ込みそれを利用しようと待ちかまえている醜い大人達が巣くっているのです。たった一度の過ちから管理売春の組織に組み込まれていったり、薬物の地獄に引き込まれていってしまいかねないのです。とにかく若者を取り巻く現代の環境は私達の想像をはるかに超えて危険に満ちあふれています。
危険に満ちあふれたこの状況の中でどのように子ども達を救っていけるのでしょうか。もちろん全ての子どもがこうした罠にはまっていくわけではありません。心に癒されない痛みを抱えている子、大きな不安を抱えている子、希望を持てずに迷っている子、自分の人生を諦めてしまっている子。こうした子ども達が抱える心の隙間に忍び寄ってくるのです。しかし、思春期のまっただ中にいる彼らにとって、こうした心理状況は決して特別なものではありません。誰にでもその危険性はあるのです。
北星余市の校歌の最後に「仲間、友情、団結」というフレーズがあります。今時「死語」のように感じるかもしれません。しかし、こうした深刻な状況に直面するたびに私達は、糸口はこれしかないという結論に達しています。子ども達の心の隙を狙ってくるこうした問題に立ち向かうには人間関係の中で心の隙間を埋めていくしかないのです。しっかりとした仲間の関係の中に立つものは仮面の下に隠れている正体を見抜くことも出来るし、はまりそうになっている仲間を救い出すことも出来るのです。具体的には生活改善運動(日常の生活の細かいところからダメな物はダメと言い合える人間関係作り)の展開などをしています。寮生活なども含め上っ面の付き合いではやっていけません。
凍り付いたような新入生の表情が雪解けのようにみるみる軟らかくなっていきます。そこには本当に無邪気な少年少女の姿が戻ってきます。未来に目を輝かせるかけがえのない若者がここにもいます。

【4575号】教区コラム 西東京教区

重い課題はたくさんあるが

吉岡光人

西東京教区の範囲は東京の中野区・杉並区と市部全域です。この辺りはこの四〇年ほどで、急激に住宅地化され人口の増加した地域です。このような地域ですので、三〇年~四〇年程前に開拓伝道を開始した、まだ若い教会が多いのが特徴です。「東京都」にはありますが、西東京教区内の各教会・伝道所の様子は都心にある教会とはかなり違っていると言うことができるでしょう。
一九七〇年代に、当時の東京教区西支区が「教区になろう」と決議してから既に三十年以上が過ぎました。この間にこの地域を取り巻く社会的事情は大きく変化しました。例えば、土地価格が高騰したため、一教会で土地を取得するということはとても難しくなってしまったというようなことや、「世界一大学が集中している地域」ではあるけれども、この時代にあって学生への伝道はとても難しいというようなこともあります。
しかし、教区化を願って決議したあの時の諸教会のスピリットを現在の西東京教区はしっかりと受け継いでいます。教区が誕生してもうすぐ丸六年が経とうとしています。難しい課題もたくさん見えてきましたが、教区が誕生した時に皆で「アーメン」と唱和した宣教の三本柱、「積極的に福音を伝道する教区」「諸教会が互助に努め、連帯する教区」「社会の課題に取り組み、地域に奉仕する教区」にうたわれている課題を果たすために、更に教区全体で祈りを合わせて行きたいと願っています。
(西東京教区総会副議長)

 

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