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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4767号】主の召しに応えて 伝道のともしび

2013年2月23日

12月24日、教会に与えられるプレゼント
郡中南教会牧師 小林 秀樹

この3月で、私がこの地に赴任してちょうど10年となります。初めての任地であったこともあり、着任当初は10年後に自分がどうなっているか、全く想像がつかなったことなど、懐かしく思い出されます。
この、郡中南教会がある愛媛県伊予市は、四国最大の都市、松山市の郊外にあり、人口およそ4万人、農林水産業が中心でのどかな町で、教会の周りも、田畑が広がり、近くには山林もあります。
現在、会員は10名、礼拝出席は8名ほど、教区の互助を受けながら、その歩みを続けています。この10年で、5名の会員を天に送りました。一時は大きな悲しみを感じましたが、その後、受洗者や転入者も与えられ、ただただ感謝した、ということもありました。
私が着任した最初の年のクリスマス、24日の夜に、しばらく途絶えていた燭火礼拝をしてはどうかとの声が上がり、急遽、企画しました。道路に面した掲示板に、手書きのポスターを貼ることぐらいしか、周囲への案内はできませんでした。ロウソクを20本近く用意したものの、時間になって来たのは会員ばかり4名、せっかくだからと用意したロウソクの全てに火をつけて、讃美歌を歌ったり、御言葉を聴いたりしました。
しかし、それで終わり、ではありませんでした。途中で一人、教会の近所に住んでいて、かつて学生時代に聖書の言葉にふれたことがある、という方が入ってきました。掲示板のポスターを見て、行ってみようと思ったとのことです。地方の小さな教会は、新来会者もほとんどなく、このように教会を訪ねて下さる方がある、ということは、どれほど嬉しいことかと感じたひとときでした。その後、この方は毎年、24日の夜には来ておられます。
以後、少しずつ24日夜の出席者は増えていきます。知人を誘ってきたり、会員が自分たちの子どもたちを連れてきたりするようにもなりました。普段は部活などで教会学校に来られない子も来たりして、再会を喜ぶ光景も見られます。
子どもたちを交えて礼拝をし、讃美歌を歌う、賑やかになっていきます。そのうち、楽器の演奏ができる子たちが、礼拝の後で演奏してくれるようになったりもしました。時には讃美歌のコピーやお茶菓子が足りなくなったこともあります。
今回(2012年)は、新しい試みとして、教会学校生徒と教師で、23日のクリスマス礼拝の中で讃美を捧げました。「また歌いたい」、「また聴きたい」という声が上がり、急遽24日の燭火礼拝の後にも行ないました。今年は、初めて来られた方も2名あり、楽しんでいただけました。共に、豊かな恵みを頂くこととなりました。
毎年のこのクリスマスの出来事、特に24日夜の光景を思い起こすことで、少しずつ、しかし、確実に、教会が前進していることを感じることができるものであります。これは、神がこの教会へ与えてくださった豊かで、大きな恵みにほかなりません。まさに、24日に教会全体に与えられるクリスマスプレゼントです。
10年前、着任した当時は、このようなことになるとは、思ってもいませんでした。小さな教会であっても、確かにここにも、神が来て下さっていると感じることができる時であります。

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