【4765号】荒野の声

このコラムは、「荒野の声」という題で続いている。教会宛の公報紙で言わずもがなだが、この声は、洗礼者ヨハネの呼ばわった声であり、イザヤが預言した声だ▼声の響き渡った荒野は、イスラエルの遠い記憶、しかし確かな救いの記憶に根差している。救いは既に起こったが、なおいまだ、救いの現実は信仰においてのみ知るもので、目に見える世界は荒野に置かれている。けれども、進みゆくべき荒野の道は、目当てなき彷徨ではなく、世界の救いの実現を目指す歩みであることを確信している声である▼この声が、今、教会に、世界にしっかりと響いているか。なお問い続けなくてはならないのであろう。単なる批判ではない。単なる批評ではない。救いを我がこととして、我が同胞のこととして語る言葉が求められている▼荒野の声は、この声自体が目的ではなかった。声が伝えようとするお方がおり、このお方こそが究極的な目標である。教会は、このお方を語り損ねてはなるまい。そして、このお方を呼び祈り続けなくてはなるまい。このことが、世界に教会が建てられた欠くことのできない理由だからだ▼公報紙として、教団の、教会の今を語り、伝える責務を、事実に忠実に、しかし決しておもねることなく果してゆけるよう、心したい。

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