去る9月6日と7日の両日、教団会議室で統一原理問題全国連絡会が開催された。参加者は各教区の代表、韓国から大韓イエス教長老会からの17名、通訳の在日大韓基督教会と日本聖公会からの参加者を含む50余名であった。会は代表世話人の張田眞宣教委員長による大韓イエス教長老会の参加者への感謝の挨拶によって始められた。
会の第一部として、宗教社会学者の中西尋子氏による「韓国における統一協会日本人女性信者の実態」という題の講演がなされた。今年8月の韓国での「生活苦のため…日本人妻が韓国人夫を殺害」事件の背景に合同結婚式で渡韓した多くの日本人女性たちに共通する生活実態があると考えられる。韓国には約7、000人の韓日祝福女性が存在する。統一協会が韓日祝福を本格的に開始した1988年の韓日1、526組と日韓1、526組をはじめ、1992年の3万組、1995年の36万組がある。これらの祝福による在韓日本人女性の現地調査をした中西氏の報告は深刻なものであった。
講演Ⅱは韓一長神大学の具椿書教授の「異端に惑わされる社会心理学的原因」という題の講演がなされた。具氏は知識社会学の概念を用いてカルトに惑わされる信者の社会心理的状態について考察をし、予防的対策を講じることの重要性を強調した。
夕食後の講演Ⅲでは全国被害弁連の渡辺博弁護士による「最近の統一協会の現状」の講演がなされた。9月3日の文鮮明死後、日本人信者に、葬儀までに3万2千人に各12万円の弔問金(合計38億円!)を持って清平を訪問する指示があったが、被害弁連には1987年以降も1、129億円に上る被害相談があった。最近はその実態を示す資料も入手でき、昨年9月には週刊文春がそれらを基に1999年からの9年間で総額4、900億円もの送金の実態を明らかにした。一時沈静化していた霊感商法も現在ではほぼ以前通りの活動がされているという警告がされた。
特に注意したいのは、韓国から「新天地」というカルトが教会に入り込む被害の報告である。日本にも浸透し始めていることへの注意が促された。
最後に、10月7日に敬愛する川崎経子氏が天に召された。川崎氏の小諸いずみ会「いのちの家」をはじめとする長年の働きに感謝して覚えたい。
(坂田進報)