9月1~2日、第49回アンダーウッド国際学術講座が「主の御旨に沿う、東北アジア青年キリスト者の社会参加」を主題とし、韓国ソウル・セムナン教会(大韓イエス教長老会統合派)にて開催された。
同講座は、韓国最初の教会(セムナン教会)、教育(延世大学)、医療(セブランス病院)の礎を築いた宣教師の名を冠し、その宣教スピリットを継承するとの志により行われている。主題選定や企画・運営を青年が主体的に担っていることが特筆される。その背後には牧師・長老会を中心とする教会全体の祈りと指導、支援が存する。
また東北アジアにおける教会青年の交わりを覚えて中国・日本の青年も招かれ、今年は12名の教会青年が日本から参加した。
講師として、東方敬信青山学院大学名誉教授、パンズガン建国大学校教授、アンインソプ総神大学校教授が日中韓3か国から立てられた。
1日は開会礼拝後、3名の講演がなされた。東方氏は「礼拝は無限の時間と空間が凝縮された小宇宙、私たちはこの神のドラマの中に存在し、演じる」と語り、神の国を証しする社会的生き方を説いた。パン氏は中国出身の氏が夫婦揃ってキリスト教信仰へ、そして現職へと導かれたことを証しし、青年が神から中国宣教の召命を受け取ること、また祈りつつ待つ重要性を語った。アン氏はジャン・カルヴァンとアブラハム・カイパーの神学を参照しつつ、教会の積極的な社会参加として、政府の不正義への批判、社会福祉活動、キリスト者の政治活動の3点を論じた。講演後に3か国の青年代表が討論をし、講演への質疑応答も交え、主題理解を深めた。引き続いてグループ討論を行った。
2日の主日に日本からの参加者は午前9時30分から、セムナン教会日本語礼拝に出席した。講座2日目は午後3時の第5部礼拝(青年礼拝)から開始された。ソンヨンウォン牧師が「我々とみんなのために」(創世記1章26~28節)と題して説教、「三位一体の内在的交わりにおいて存在される神が、愛をもって経綸的三位一体へと歩み出された。この神の愛にかたどられたのが教会とキリスト者である。3か国の教会が執り成し合い、一つとなって神の愛を証しし、そこに北朝鮮の兄弟姉妹をも覚えていく」ことが奨められた。
礼拝後、東方氏が「社会的証しのキリスト教倫理」と題し講演、討論と質疑応答が行われた。
最後のプログラムは芸術作品発表会として、セムナン教会青年たちが讃美コーラス、福音ラップ、自作讃美歌の弾き語り、短編映画、福音舞踊などを通して主を証しした。福音の豊かさと青年層の賜物の厚さを味わうひとときであった。その後、中国と日本からの参加者・留学生が壇上で紹介され、共に讃美しつつ、韓国の兄姉と主の祝福を交換、感動のあまり涙する参加者もあった。イスヨン・セムナン教会主任牧師の祈祷により、全日程を終了した。
プログラムの中では繰り返し、「東北アジア国際情勢の緊張が報じられる中で、キリスト者が神の国を証しし、一致を目指して行く」よう祈られ、またこの講座を通して既にその出来事は始まっていると実感させられた2日間であった。
(松本周報)