【4752号】主の召しに応えて 都城城南教会牧師 山口 元気

あなたの出番です

新燃岳を擁する霧島連山の裾野に広がる、宮崎県都城市。地方都市の雛型のような町だ。
その地に立つ私どもの教会もまた、現代日本の教会の「雛型」のような教会かもしれない。戦後の50年代から60年代に受洗した、現在70~80代前後の兄弟姉妹が教会員の大半を占める。
そのような教会で、孫のような牧師は、エステルの養父モルデカイよろしく言い続けている。
「皆さんが召し出されたのは、今、この時のためだったのです」。
かの時代、多くの受洗者があった。しかしその後に教会を離れた者も、既に召された者も少なくない。にもかかわらず、今もって教会を支え続けている人々。「選り抜きの精鋭」としか言いようがない。
主は今日のためにこそ、この人々を残しておかれたのだ。受洗者が礼拝堂に並びきれなかった光景が、日曜学校に子どもが溢れかえった有り様が、脳裡に焼き付いている人々。何のために主はそのような光景を彼らに見せたのか。後日、歳を重ねた彼らに溜息をつかせるためか。否! 否!

「足腰が弱っていませんか、信仰の」。顔色を伺わず敢えて申し上げます。書棚の奥で埃をかぶった信仰問答書を引っ張りだしてください。「問一 生きている時も、死ぬ時も、あなたのただ一つの慰めは、何ですか」。
そもそも、あなたはなぜ教会に行くのですか。どうして礼拝し続けているのですか。「長年の習慣ですから」。違う、私たちが聞きたいのはそんな答えではありません。
救いの喜びはどこへいったのです。「あなたのために裂かれたキリストの体、あなたのために流されたキリストの血潮」。義とされた罪人よ、信仰をもって噛みしめる聖餐の喜びはどこへいったのです。
「わたしに倣う者になりなさい」-あなたの背中に、そんな無言の雄弁を聞きとりたい。「いや、私は信仰の弱い者ですから」。そんな言葉を、あなたを今日まで守り続けてくださった主が聞いたらどう思われるでしょうか。

新燃岳噴火直後の日曜日。いつにもまして閑散とした通りを、何食わぬ顔で灰を掻き分け、黙々と礼拝に参ずる兄弟姉妹。私は、その姿に主の僕としての生き様を垣間見ました。
「杖の先に寄りかかって神を礼拝した」と言われている老ヤコブの迫力に、私は叱咤激励されます。幼子キリストを胸に抱く神殿の老シメオンの姿に、私は信仰者の真髄を見ます。ある老牧師は言いました。「幼子と母マリアの絵も良いけれど、幼き救い主をかき抱いて涙を流すシメオンの姿こそクリスマスカードに相応しい」。然り! 然り!
日本の教会の宝である兄弟姉妹、主の精鋭よ、どうか立ち上がってください。主がお入り用なのです。世代交代とは「ただ退く」ことでしょうか。あなたの後輩たちは、日本の教会は、あなたの姿に主の僕としての生き様を、信仰者の真髄を見たい。牧師を後ずさりさせるほどの静かな気迫で礼拝を捧げる、本物の信仰者の姿を、この目に焼き付けておきたい! 襷(たすき)を受け取る私たちに、神を信じることを教えてください。
「あの頃」があなたの黄金時代なのではありません。今こそ、あなたの出番です。
最後まで、誰よりも求道者であり続ける美しいあなたの姿を見つめています。私たちと、主が-。

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