11月29日、教団会議室にて、第37総会期教区議長会議が開催された。出席者は、教団三役と各教区議長(またはその代理者)16名(沖縄教区は欠席)と、内藤留幸総幹事ほか幹事4名であった。
初めに、石橋秀雄議長が、本会議は教規39条(2)に基づいて開催したものであり、今期三役において本会議の開催を検討していたところ、東日本大震災が発生し、この度は主にその対応と今後の支援を協議し、全教団的取り組みを推進したいと願っていると述べた。
出席者が自己紹介をした後、まず東日本大震災による被害状況について被災三教区(奥羽、東北、関東)の各議長が報告した。
続いて、各教区における支援内容として、教区内に支援委員会を立ち上げて献金や物資支援の呼びかけをしたこと、ボランティアの派遣をしていること、被災教区の議長や教師を迎えて報告会を開催したこと、定期的に祈祷会をもっていること、被災教区との交流のための委員会を立ち上げて支援活動をしていること、震災対応の経験がある人員を派遣し、被災教区からの要望に基づいた支援をしていること、専用の献金袋を作製して教区内の全教会に配布していることなどが報告された。
次に、加藤誠幹事(教団震災対応担当)が、教団救援対策本部事務局活動報告として、仙台の「エマオ」、遠野の自殺防止センター、福島の子どもたちの短期保養プログラム等の報告をした。
また、国内および海外からの献金の状況、救援対策本部会計について資料により報告がなされ、確認した。
以上の報告の後、東日本大震災教団救援募金推進についての協議に入り、まず雲然俊美書記が、資料により震災による会堂等の被災状況の全体像を報告した。続いて岡本知之副議長が、教団からの支援額の決定方法の検討や、公平性を保つことなどのため、被災三教区の議長にも委員となっていただき、支援金の配分のあり方を検討するための話し合いをすでに始めていることを報告した。
なお、岡本副議長は、海外募金の状況に関して、海外メディアにおいて日本政府や東電の震災対応への批判(情報隠蔽、放射線による海洋汚染など)が強まっており、海外からの献金にも影響を与えるのではないかとの懸念があるので、そのためにも国内募金に全教団的に協力してほしいと述べた。
以上の報告を受けて協議に入った。協議においては、これまで教区に直接ささげられた献金を教団への募金として計上することについて意見交換をし、教区に直接ささげられた献金であっても、それを用いることにおいては、教団からの支援金と分けて扱うことは難しいので、ぜひ各教区にささげられた献金と、教団にささげられた献金とを合算してほしいとの意見や、被災教区に直接支援したものは教団への募金とは別にしたほうがよいとの意見も出された。
これらの意見を踏まえて、本会議においては、会計報告においては、各教区にささげられた献金(教区間支援分)と、教団にささげられたもの(全国募金分)とを分けて記載すること、全国募金においては、被災教会の会堂再建・補修支援分(国内募金目標10億円の内の5億円)はぜひ達成したいこと、全国募金で集まった分でしか被災教会に支援することはできないのであるから、教区毎に募金方法等を検討し、全教団的に国内募金の達成に努めることを確認した(被災教会から教団救援対策本部に報告のあった会堂再建のために必要な経費は、現時点で総額17億円に上っており、このうち5億円を国内募金から、また2億円を海外募金から支援したいと考えている)。
そのほか、『東日本大震災救援対策本部ニュース』に記載されている文言についての意見や、まず地域支援が必要であるとの意見、それに対して、実際の支援活動は地域支援となっているといった意見が出された。
また、同ニュースに掲載されている募金集計の各教区毎の比率は記載しない方がよいとの意見や、各教区でそれぞれの教区の実情に応じた募金目標を設定してもらうことが望ましいといった意見などが出された。
以上の後、教団の伝道に関する協議の時間をもった。
まず初めに、教団伝道方策検討委員会の北紀吉委員長が、同委員会では各委員に課題を割り振り、その発表を受けて、常議員会に提言するものをまとめる予定であること、伝道が具体的に進展するための提言をしたいこと、伝道の課題として教団ですべきことについて協議していることなどを報告した。
その具体的な内容としては、伝道委員会のもとに「伝道推進室」を設けて各個教会の伝道を支援したり、伝道資金を設けて各教区や各教会の伝道の活性化のために有効的に用いること、地方において、その地域での伝道を中心的に担っている教会がしっかりと立つことがその地域の伝道を支えることになること、伝道においては信徒の祈りが欠かせないものであり信徒の霊性が大事であること、信徒の霊性を養う集会の開催や霊的で敬虔な牧師の養成が必要であることなどを述べた。また、教会付属の幼稚園や保育園の今後のあり方についての研修の機会を設けたいこと、実際の伝道活動については教団内の自主的な活動と連携して行きたいこと、インターネットによる伝道の推進や教団内の関係諸団体との関係の強化を検討したいことなどを述べた。
これに対し、インターネット伝道の推進主体についての問いかけや、地域の中核的な教会の支援内容についての質問などが出された。
この後、岡本副議長が再度、国内募金の推進に関して、教団の全教会がこのことのためにささげ、努力をするためにぜひ協力をお願いしたいと述べ、最後に、教区における集会のアピールや報告、今後もこの会議の開催を望む意見などが出されて会議を終了した。
(雲然俊美報)