【4736号】神の恵みにゆだねられて  使徒言行録13・1~3、14・21~28

アンティオキア教会は、サウロとバルナバを福音宣教者として出発させた。宣教師を遣わす業は、キリスト教会の本来の働きに与ることである。その源泉は、「彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた」と記されているように、礼拝における主の臨在であり、その体験の中に聖霊が働くことにある。
「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために」。人の決意が業を生み出すのではない。しかも、遣わされる本人ではなく、礼拝共同体、即ち教会自らがその言葉を聞くのである。遣わす者も遣わされる者も、共に御言葉に聞き、聖霊の働きに感謝して与ることが大切である。
後にパウロと呼ばれるサウロも、バルナバも、アンティオキア教会にとっては、欠くことのできない御言葉の教師たちであった。彼らを送り出すことは痛手であると言ってよい。しかし、聖霊は、あえて、教会の最も有力なリーダーを選び、持ち場から引き離して遣わすのである。
その時、礼拝共同体たる教会は何を祈ったのか。成功でも健康でもない。後に「二人が今成し遂げた働きのために神の恵みにゆだねられて送り出された所である」とアンティオキア教会について説明されるように、按手を伴う祈りにおいて、彼らは、遣わされる者たちを、神の恵みに「ゆだねた」のだ。
「ゆだねる」と訳される「パラディドマイ」と言う言葉は、主イエスの十字架において、「引き渡される」とも「裏切る」とも訳される。その言葉の持つ深みそのものにおいて、主に「ゆだねる」のである。
道が開かれたから遣わすのではない。聖霊の命ずるままに、わたしたちは今、洛雲海教師を、宣教師として、主の恵みに「ゆだね」、送り出すのである。
《派遣式説教》
秋山徹(世界宣教委員会書記)
(説教要約/林牧人)

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