2026年春季教師検定試験
補教師22名、正教師11名が受験
自己実現ではなく主の御心の実現のために
2月24〜26日にかけて日本キリスト教会館を会場に2026年春季教師検定試験が行われた。春の検定試験は、神学校を卒業する補教師の受験者が多い回であり、今回は補教師22名、正教師11名の計33名の受験者が与えられた。
まず開会礼拝がささげられ、飯田敏勝教師検定委員よりテモテへの手紙二第1章3〜14節から説教がなされた。自分がなりたいから教師になるのではなく、キリストの福音そのものがわたしたちを教師として任命している。教師検定は、キリストの福音に立つことができるかどうかを試験するものであると語られた。
礼拝に続いて、早速、筆記試験が行われた。どの教科も基礎的な理解を問う問題である。教憲教規・宗教法人法では、教憲第1条から日本基督教団が公同教会である理由を述べよという出題がなされた。解答の傾向から「公同教会」の理解が不十分であることが見受けられた。使徒的信仰の継承、キリストによって託された教会の権能行使は、わたしたちが仕える教会がどういう場所であり、何を為すべきかという教会の本質的な事柄である。牧会の中でそのことをしっかり自覚してもらいたい。
聖書神学では、旧約、新約共に「聖書箇所を引用しながら」という出題がなされている。聖書を引用する力は日々の説教準備や聖書に親しむ習慣によって身につくものである。
今回特に気になったことは、正しく聖書箇所が挙げられても、それを神学的に、キリストの福音へと展開していく力が弱いという点である。一つの要因としては、聖書の読み方の偏りが考えられる。普段、新約聖書しか説教で扱わなければ、旧約聖書から福音を読み解く力は格段に落ちるだろう。聖書全体から福音を語ることを常に意識して日々御言葉に取り組んでほしい。
提出課題の説教・釈義に関しては、傾向として、自分の語りたいことを優先し、そこに聖書テキストを当てはめるような解釈、説教が多いという点が挙げられる。まず聖書が何を語ろうとしているのか、謙虚に御言葉に耳を傾ける姿勢が望まれる。そのためには自分の語りたいことを一度手放す勇気が必要である。
また釈義における注解書などの参考文献が少ないことも指摘されている。最低限、複数の聖書の翻訳や注解書に目を通してもらいたい。牧師にとって神学書は「道具」である。職人が良い道具を揃え、使い分けるように、牧師も道具を揃えると思って本を求めてほしい。
全体会の講評で春原禎光委員長は、繰り返し「召命」を述べた。わたしたちが仕え、召されている教会とは何か。わたしたちは日々どういう務めに召されているのか。自己実現ではなく、主の御心を実現するためにこそ、わたしたちが主に召され、教会に仕えていることを何より心に留めておきたい。
保留となり追試レポートを課された受験者も多かったが、最終的な合格者は、教団常議員会での承認をもって確定され、補教師受験者22名中、合格者は15名、いわゆるCコース受験で継続3名、正教師の受験者11名中、合格者は7名であった。
なお、前回の教師検定試験に関して複数の教区や神学校から意見や要望が寄せられ、今回の試験はこれらを重く受け止めた上で実施された。(川島直道報)
講評
伝道献身者にとって不可欠な召命を、神から来るものとして深く受け止めて来ていない受験者が少なくない。教師に立てられた後も、主なる神と日々向き合う中で、御言葉、祈り、あるいは説教や奉仕の務めを通して、主なる神から示される召命を繰り返し確認し続けることが求められる。
また、我々において召命は教団の教師への召しである。しかし、この点についても曖昧な者が多い。既に決まっている特定の教会のみに仕えるのではなく、日本基督教団という教会に仕え、その頭であるイエス・キリストに仕える意識を明確に持つことが望まれる。
特に補教師検定試験は、主任教師や教区の推薦を前提としつつも、それらとは独立して、召命とそれに応答する献身を確認する機会である。就職試験でも資格試験でもない。神学校で学ぶことと同様に、自分で決めた進路としてではなく、主なる神の導きに従った歩みを期待する。
第43総会期 教師検定委員長 春原禎光
2026年春季・補教師試験問題
教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
次の2題について答えてください。
1.教憲第1条より、日本基督教団が公同教会である理由を述べてください。
2.宗教法人法は、信教の自由の趣旨を踏まえ、国家による介入をどのように制限していますか。関連する条項を挙げて述べてください。
旧約聖書神学(60分)
次の2題について答えてください。
1.申命記的歴史と歴代誌的歴史の特徴を、聖書箇所を引用しながら述べてください。
2.次の聖句から2つを選択し、それぞれ①聖書箇所を挙げ、②神学的な説明をしてください。
a)エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、葱や玉葱やにんにくが忘れられない。
b)この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか。
c)わたしは陶工の家に下って行った。彼はろくろを使って仕事をしていた。陶工は粘土で一つの器を作っても、気に入らなければ自分の手で壊し、それを作り直すのであった。
新約聖書神学(60分)
次の2題に、神学的に論じてください。
1.ヨハネ文書における「世」について、聖書箇所を挙げつつ述べてください。
2.パウロの賜物(カリスマ)理解について、聖書箇所を挙げつつ教会論の立場で述べてください。
公告
教師検定委員会では、教師検定規則第6条⑥に基づき、同規則第3条6号対象者(所謂Cコース受験者)に対する認定面接を左記のように実施します。
2027年春季試験以降に新たにCコース受験を志願される方は、本委員会の指定した書類を2026年7月17日(金)までにご提出いただき、左記日程の面接にご出席ください。なお、面接要領・提出書類用紙については、一一〇円切手を同封の上、本委員会事務局に直接お申込みください。
★認定面接
日時 2026年9月16日(水)午後
場所 大阪クリスチャンセンター
なお、認定面接予定者には、書類受付後、正確な日時等の案内通知を送付します。
2026年4月25日 日本基督教団教師検定委員会
〒169−0051 東京都新宿区西早稲田2−3−18−31 電話 03−3202−0546
教師検定委員会よりお知らせ
「教師検定試験受験の手引き」を改訂しました。「Ⅵ受験科目の準備の仕方と参考書について」をさらに充実させ、2頁増やしましたが、頒布価格220円は変わりません。問い合わせは、教師検定委員会(TEL03-3202-0546)までお願いします。






