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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5040号】人ひととき(4面)

2025年12月13日

みんなのいばしょ

相模原教会員
武田恵さん

 北海道でキリスト者の両親の下で育ち、高校2年生の時に受洗。短大のピアノ科、大学の英文科で学び、卒業後は塾講師とピアノ教師をし、結婚して神奈川に転居してからは、教会の付属幼稚園でピアノを教えた。母の介護で8年程離れた後、再びピアノ教師をしようと考えたが、コロナにより叶わなかった。この時期に、子どもが自由に集まれる広場の必要性を感じ、友人と共に「みんなのいばしょポプケ」を開始。「ポプケ」とはアイヌ語で「あたたかい」。近年、子どもが大人を信じられない状況が生まれていることに心を痛め、「社会は温かいもの」ということを伝えたいと思ったという。
 生協の施設を借り、放課後の3時間、自由に時間を過ごす「いばしょ」を開設。地域の学校でも案内してもらい、40名程の子どもが集まっている。大人と子どもが一緒になって、ゲーム、卓球、工作等、思い思いに時間を過ごす。進めて行く中で学習支援も実施するようになった。徐々に、ボランティアのシニアスタッフや、課外授業の一環として参加する大学生も起こされている。
 活動の特徴は「ルールを定めない」こと。規則で縛ることで子どもを管理するのではなく、自由な交わりの中で信頼関係が醸成されることを目指す。何かをしてあげているという感覚はない。いずれ「いばしょ」での体験が、未来のあたたかい社会を築く力になったらと願っている。
 信仰を掲げた活動ではないが、老若男女が集うという点では、幼い頃から育てられた教会に通じるものを感じている。「主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる」(詩篇23)が好きだという武田さんの周りには、誰もが安心して憩う水辺のような「いばしょ」が広がっている。

 

 

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