3月11日、教団三役で、仙台から白石教会に向かい、東北教区東日本大震災14年記念礼拝に出席し、その後、髙橋真人東北教区議長の先導で小高伝道所(福島県南相馬市)に向かった。小高伝道所は東京電力福島第一原子力発電所から約18㎞に位置し、浪江伝道所(福島県双葉郡浪江町。原発から約10㎞)に次いで、原発に近い教会である。
小高と浪江に10年前に訪問した時、町の様子はまさにゴーストタウン化していた。小高伝道所では、震災時の状況そのままの礼拝堂と幼稚園の教室を窓越しに見て、草が伸びている園庭で祈りをささげた。震災前は「薔薇の教会」と称していた浪江伝道所も草が伸び放題で、放射線量がきわめて高かった。
それが、この度訪ねてみたところ、両伝道所ともきれいに草が刈られ、会堂内も整理され、礼拝がなされていた。2022年に飯島信教師が両伝道所の牧師として赴任し、東北教区をはじめ多くの方たちの協力を得て整えたのである。さらに驚いたのは、震災当日まで運営されていた小高教会幼稚園の卒園生などから声が寄せられ、地域の方たちの集会の会場として用いられているほか、幼稚園等の歴史資料を保管し、展示する記念館の開設が予定されているということである。
原発事故の影響が続く中、地域の方たちと共に歩む教会を覚えて祈り、支えて行きたい。(教団総会議長 雲然俊美)