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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5031号】《ILGAアジア会議》(6面)

2025年4月26日

アジア各国の性的マイノリティーの状況を共有

 カナダ合同教会からの支援を受け、2月24日から28日までネパール・カトマンズで開催されたILGA(国際レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス協会)のアジア地域会議に参加した。アジア各地から約600人が集い各国における性的マイノリティ(LGBTQ+)の権利向上や制度改善の取り組み、困難な状況などを共有し互いの知識、経験から学び合った。

 毎日4〜5種類の分科会があり主題講演にはネパールの担当大臣や国連のジェンダー部門代表も参加。ネパールは台湾(2019年)に続き2023年、アジアで2番目に同性婚を認めている。インターフェイス(宗教間対話)の分科会はヒンドゥー教徒、仏教徒の参加者が大半だった。宗教の伝統と反ジェンダーの考え方に基づく男女二元論や性別役割の強要に苦しめられた経験が多くの参加者から語られ、どの宗教においても聖典の誤った解釈による厳しい差別があるのではという問題提起がなされた。

 今回、LGBTQ+に関する宣教・伝道は社会における活動との接点なしには進められないとの理解のもと、カナダ合同教会が日本と韓国の教会から参加者を送り出してくださった。特に東アジア社会で活動する人々や南アフリカから参加の牧師と親しくなることができ、日本の部落解放センターの働きについても会話を通じて紹介する機会があった。社会から隔絶するのではなく社会に存在する共同体として、日本の教会がどのようにLGBTQ+に対する差別を宣教・伝道の課題としていけるだろうかと考えさせられると同時に、日本特有の部落差別の課題を海外の人々に伝えていく重要性を実感した。

 これほど多くのLGBTQ+が一同に集まる貴重な会議への参加を支援いただき心から感謝である。次回は2027年フィリピン・マニラでの開催。次世代の参加が続くことを願っている。(上野玲奈報)

教団新報
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