インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5031号】 2025年春季教師検定試験 (2面)

2025年4月26日

2025年春季教師検定試験
補教師試験23名、正教師試験9名が合格

日本語を母語としない受験者にパソコン受験を実施

 2月25日から27日まで、早稲田の日本キリスト教会館を会場に、2025年度春季教師検定試験が行われた。春季は、教団立及び教団認可の神学校を卒業して補教師試験を受験する方々が多く、今回の受験者数は、補教師試験32名、正教師試験12名であった。他に、他教派からの正教師転入審査2名が行われた。

 教師検定試験は礼拝をもって開始される。それは、受験者も教師検定委員も共に主なる神の御前に歩み出て、御心によって我々を教師へと召し出されるお方を崇めることが何よりも大切だからである。礼拝では横山良樹委員が説教を担当し、創世記22章1〜14節から、アブラハムとイサクには見えていない彼らの背後に必要なものが備えられており、神は我々の思いを超えた先を御覧になっていることが語られた。不条理な現実の中で我々は、神が前も後ろも見ておられるという摂理の信仰に生きるのであり、教師となるための手続きを一つひとつ踏んでいく際にも、神からの召しと摂理を確認していくことが示された。

 従来と同様に、事前に旧約及び新約の説教・釈義と組織神学論文、神学論文等が提出されており、会場では、一日目に筆記試験、二日目・三日目に面接試験が行われた。今回新たなこととして、日本語を母語としないために漢字の筆記に著しい困難を覚える再受験の受験者に対して、別室でのパソコン受験を実施し、3名がこの方法で筆記試験を受けた。

 提出された説教・釈義では、注解書の記述を抜き書きして並べただけのものが目立った。釈義として何を記述すべきかという基本をきちんと学んでほしいし、それ以前に日頃から聖書の言葉が御言葉として自分自身に響いてくる経験を積み重ねてほしいと願う。また説教では、釈義に基づいていない内容で語るものが見受けられた。丁寧な釈義に基づいて深く黙想し、それを説教の言葉に結びつける力を身につけてほしい。

 筆記試験では、旧約聖書神学、新約聖書神学どちらにおいても聖書を貸し出しているが、重要な聖書箇所が挙げられていない答案が多かった。この面でも、普段から伝道献身者として聖書によく親しむことが求められる。

 面接試験は、一人ひとりの信仰の経歴と召命の自覚についての確認を中心に行われる。受験者には、準備として面接試験事前レポートを提出してもらっている。しかし、丁寧に行おうとするとどうしても時間が延びてしまい、長く待ってもらう受験者もあって申し訳ないが、受験者の方々にも、日本基督教団がどのような教会であるか、また、教団の教師への召命をどのように確かめてきたかを簡潔に語れるよう準備されることを願いたい。

 筆記試験・面接試験が終わった時点で、合否保留となりレポートを課せられた受験者が補教師試験13名、正教師試験6名あった。これらのレポートの判定結果を含め、最終的に、補教師試験は合格23名、継続3名、不合格6名、正教師試験は合格9名、不合格3名であった。合格者は3月25日の常議員会での承認を受けて確定された。

 全体として、今回もさらなるレポートを課す保留が多く厳しい結果となったが、単なる受験勉強ではなく、主に召されて献身し、主にお仕えする姿勢を常に大切にしながら準備に取り組むことを切に願う。(春原禎光報)


講評

補教師の新約説教の課題で示された「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ」という一言。日本基督教団という教会がこの方の血潮によって贖いとられた教会であることを受験者と共に見つめる教師検定試験とされた。試験のために課せられた聖書箇所としてだけでなく、受験者がイエスさまを証しする喜び、望みを語ることが期待された。残念ながら自分のこととして聖書に聞くことができた受験者は多くない。解説に終始し、教師として召してくださった方との関わりが不明瞭であった。それは日頃の聖書の素読の不足も一因としてあげられる。多くの働きを求められる教師の務めにあって、その基本はみ言葉に親しむことである。わたしたちが宣べ伝えるのは、み言葉を通して受け継いできた教会の信仰であるのだから。

第42総会期 教師検定委員長  清藤 淳


2025年春季・補教師試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)

 次の2題について答えてください。

1.教会総会と役員会について、教憲教規がどのように定めているか説明してください。また教会総会と役員会の関係について述べてください。

2.宗教法人である教会が「公告」を行わなければならない事例について述べてください 。

旧約聖書神学(60分)

 次の2題について、神学的に論じてください。

1.アブラハムの義について

2.祭司の務めについて

新約聖書神学(60分)

 次の2題に、神学的に論じてください。

1.マタイによる福音書における「天の国」について、聖書箇所をいくつか挙げて論じてください。

2.ヘブライ人への手紙について、聖書箇所をいくつか挙げて論じてください。

 

 公告

 教師検定委員会では、教師検定規則第6条⑥に基づき、同規則第3条6号対象者(所謂Cコース受験者)に対する認定面接を左記のように実施します。

 2026年春季試験以降に新たにCコース受験を志願される方は、本委員会の指定した書類を2025年7月18日(金)までにご提出いただき、左記日程の面接にご出席ください。なお、面接要領・提出書類用紙については、一一〇円切手を同封の上、本委員会事務局に直接お申込みください。

★認定面接

 日時  2025年9月18日(木)午後

 場所  大阪クリスチャンセンター

 なお、認定面接予定者には、書類受付後、正確な日時等の案内通知を送付します。

  2025年4月26日   日本基督教団教師検定委員会

  〒169−0051  東京都新宿区西早稲田2−3−18−31  電話 03−3202−0546

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2025
The United Church of Christ in Japan