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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5029号】2・11メッセージ(2面)

2025年2月22日

 今年、第47代アメリカ合衆国大統領にD・トランプ氏が就任した。8年ぶり2期目の就任となり、返り咲きの大統領としては132年ぶりだという。1期目の就任時も選挙期間中から過激な発言で物議を醸したトランプ氏だが、気づけば共和党の指名候補となり、本選挙ではまさかの圧勝。今回は更に鮮やかな圧勝ぶりであった。

 世界に広がる「排除と自国第一主義」の空気は益々強まり、「合衆国」という建国時の精神さえ揺らぎ始めている。ある人々は「偉大な国を再び取り戻そう」と歓喜し、国を二分する溝が深まっている。かつては「格差社会の表面化」と説明されたが、今回のトランプ支持派は貧民層のみならず、IT企業のトップたち富裕層も名をつらね、世界情勢の変化をうかがわせるものであった。

 「アメリカ・ファースト」がより声高に叫ばれる中、日本はどうなるか。特に敗戦から80年を迎える今年2月11日の「信教の自由を守る日」集会には多くの方々の参加を切望している。国家がこの日を「建国記念の日」として祝わせようとする背景を知り、憲法20条の「信教の自由と政教分離」の精神が空洞化されないためにも、教会の意識が重要になる。「おまえも日本人だろう」との縛りは戦時中だけではなく、今も続いているのだから。

 ウクライナとパレスチナにおける戦争終結と人々の平安を祈ることは教会の大切な使命である。同時にこの国が再び同じ過ちを繰り返すことがないよう真剣に祈り求める使命もある。その際に忘れてならないことは、日本基督教団も戦時下において正しい判断ができなかった歴史的事実である。信教の自由を守るためになすべきは、国に要請することだけでなく、自らを律し、教会が教会であるために保持すべきものを見失ってはならないことだと思えてならない。

 トランプ政権を選択したアメリカをはじめ、自国第一主義が強まる世界情勢は、決して対岸のことではない。

2025年1月29日
第42総会期日本基督教団社会委員 真壁 巌

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