建学の精神の継承と発展を祈る
2024年11月28日、学校法人新島学園(群馬県)は安中市の新島襄旧宅において「新島襄上州安中帰郷150周年記念祈祷会」を行った。祈祷会には湯浅康毅理事長・学園長をはじめとした学園関係者のほか、2023年に同志社と包括連携協定を結んだ安中市の岩井均市長、共愛学園大川義学園長らが参列した。学校法人同志社八田英二総長・理事長、全国同信伝道会菅根信彦会長、オールドサウス教会(米・ボストン)のジョン・エドガートン主任牧師からのメッセージも読み上げられた。式の中では朝日研一朗安中教会牧師、新島学園高校3年鈴木旭さん、新島学園短期大学2年鈴木琴雅さんが祈りを捧げ、この地に福音の種を蒔き、私学教育の礎を築いた新島襄の働きに感謝し、新島学園の建学の精神の継承と発展を祈った。
会場となった旧宅は新島襄の家族が安中藩江戸屋敷から引き上げ居住した住居であり、現在は移築され安中市の指定史跡となっている。アメリカから帰国した新島襄はこの旧宅において、10年ぶりに家族との再会を果たしている。
1864年、江戸末期に激動する日本の将来を憂いた新島襄はアメリカへ脱国して学びの機会を得、会衆派教会で受洗、アメリカン・ボードの準宣教師としてキリスト教主義による大学の設立を胸に帰国する。安中での講話には多くの人々が詰めかけ、これを契機に集会が始まる。1878年には地元の篤志家湯浅治郎氏の運営する私設図書館「便覧舎」において新島襄より30名が受洗、安中教会が設立された。新島襄は帰国後1年で同志社英学校(後の同志社大学)を京都に設立するが、安中においては新島から直接洗礼を受けた人々によって第二次世界大戦後に新島学園が設立され、今日に至るまでその意思が継承されている(臂奈津恵報/新島学園短大宗教主任)