以前、教会の近くの自動車修理工場の看板に「あなたの車のキズもヘコミも、プロの技術士がなおします」とあるのを見て、教会の掲示板に、「あなたの心のキズもヘコミも、イエス・キリストがいやします」と書きたいと思ったことがあった。コロナ禍で傷ついた社会と人々に、キリストによる癒やしを提供することが教会の責務であると思うからだ。
6月のある主日の午後、同じ地区内の教会に新たに遣わされた教師の就任式に出席した。4年間代務体制で後任教師を求めていた教会であったため、大きな喜びの時であった。
就任式後の感謝会で、教会を代表して役員の方が、「教会は野戦病院です。総合病院のように設備が整っているわけではないが、傷ついている人々を迎え、癒やすところです」と話された。「教会は野戦病院」との言葉を久しぶりに聞いた。今もウクライナやガザ地域での戦闘が続いている状況であるため、一瞬ドキッとしたが、たしかに教会はキリストの癒やしを提供する場である。そして、何よりも、その教会が、自分たちの教会はそのような責務を負っていると自覚していることを思わされた。
コロナ禍を経た教会の状況(礼拝出席、財政など)は厳しい。しかし、教会は、この時代、人々にキリストの癒やしを提供する務めを担っていることを絶えず覚えるものでありたい。
(教団総会議長 雲然俊美)