インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5016号】人ひととき(4面)

2024年3月23日

主は羊飼い

静岡草深教会員
杉山 千代さん

 千代さんは71歳のときに受洗した。
 大正生まれの夫の一與さんは両親共にクリスチャンであり、幼児洗礼を受けていた。夫は学徒動員で海軍航空隊に入り、訓練官の少尉として任務にあたり、特攻隊を送り出す立場であった。戦後は高校教員として働いたが、夫が教会に行くことはなかった。千代さん自身も高校は静岡英和女学院に通っていたが、晩年になるまでキリスト教に深く関わることはなかった。
 夫ががんになり、自身の最期のことを思うとき、「寺の墓には入りたくない」と言い出した。教え子であった鎌田登美さんに誘われて静岡草深教会に行き、現住陪餐会員となった。ただ病状の進行により、夫が晩年、教会に出向いて礼拝生活ができた期間は長くはなかった。
 夫の自宅療養中、夜の早い夫が就寝した後、千代さんは夕拝に足しげく通った。特別に何かがあったわけではないそうだ。ただ、牧師から教会に来るようにと誘われ、素直にその言葉に従った。
 杉山家のお墓は寺にあり、義理の両親のお骨を納めるときは色々と大変だった。しかし夫の納骨の際には、寺の方から「お墓を移してはどうか」の提案があった。渡りに船であったが、本当に助かった。
 自宅の壁には、夫が何枚もの紙に習字した詩篇23篇(文語訳)が並べて貼られている。今は半紙も色あせ、なくなってしまった部分もある。
 そうした話を聞いていると神さまがまさに羊飼いとして、人生の節々で「時宜にかなった助け」(ヘブライ4・16)をくださったのだと思わされる。千代さん自身はキリスト教について「一生懸命勉強したわけではない」としきりに言われるが、ただ、イエスさまが自分を救ってくれたことを信じられ、自分の信仰として受洗をしたそうだ。

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2024
The United Church of Christ in Japan