ワカチアイの途上
西中国教区議長
小畑太作
西中国教区には67の教会・伝道所(以下「教会」)があり、その内、主任担任教師が代務者となっているのは19教会、兼務となっているのが6教会です。つまり、専任の担任教師のいない教会が25教会であり、全体の4割近くに上ります。
一応付言しておくと、「兼務」とは本来は複数教会を一人の教師が担任している「状態」であって、その意味では、兼務の教会数は前記した倍以上あるというのが正しいわけです。しかしここでは、一つを本務とし、その他を兼務とするというおかしな本教団の制度を前提に記しました。
話を戻して、当然、教会は自身の専任の担任教師を求めているわけですが、これほどまでに得られないのは、総じて言えば教勢の問題があるからです。それは一つには、謝儀を賄いきれないということですが、近年はこれに、そもそも教師が足りないということが加わっています。
当教区も、前者についてはかねてから謝儀互助制度の拡充で対応してきましたが、後者の実情に鑑みて、今年度より兼務体制を推進する方向へと舵を切ることとしました。具体的には兼務の場合の謝儀支援を手厚くすることです。現在、新互助制度を設計中です。加えて、制度上の申請要件を満たせなかった教会も申請できるようにもすることも新制度には盛り込もうとしています。
当然、伴う課題は財源の確保です。当てに出来る特別な資産があるわけでも、教勢の回復の見込みがあるわけでもありません。信じて見出している方途は、まだまだワカチアエルということです。
『教団年鑑』2023によれば、教団全体の経常収入計と経常支出計の差は約25億円。無任所教師は約600名。教団はまだまだワカチアイの途上と言うべきでしょう。
(西中国教区議長)