各教区総会の報告を共有
第7回常議員会が7月3〜4日、教団会議室で、開会時、常議員30名中29名が出席して開催された(第6回は5月22日に書面で開催、出版局に新システム導入費用を用立てることを決議)。
書記報告では、黒田若雄書記が、東京神学大学との懇談会を行ったこと、三役が教団関係の各神学校卒業式に出席したこと等を報告した他、三役、総幹事、総務幹事が各教区総会を問安しての感想を述べた。
総幹事報告では、4月に着任した網中彰子総幹事が報告。教団機構改定について、「第43総会に向けて、全教団的に更に議論を深めていただきたい」と述べた他、教団メディア戦略について、今年度中に「スタディオ」を設置するべく進めていること、出版局の新しいシステムの導入のため、教団のために献げられた遺贈献金から2200万円を10年返済で貸し付けること等を報告した。
東北地方地震被災教会会堂等再建支援委員会の報告では篠浦千史委員長が、350数万円の赤字が出ており募金を継続したが、集まったのは17万円程で目標金額に到達していないことを報告。協議の中で、災害対応のための常設委員会の必要性を訴える意見があった。
教師養成制度検討委員会の報告では、菅原力委員長が「教規に基づく教師論」を作成中であり、10月の常議員会に素案を出すべく進めていることを報告。「先に出した教師論と合わせて、神学校に提示して話し合う他、教団の教師、信徒にも教団の教師の輪郭を示したい」と述べた。
伝道推進室の報告では、齋藤篤書記が42総会期の報告を行った。教団出版局刊行物配布による支援では、『信徒の友』、「信仰応援セット」は、46教会から申し込みがあったこと、教師検定受験者に対する神学書購入費の支援には2名から申し出があったこと等を報告した。今総会期の活動については、「これまでの取り組みを振り返り、現状を鑑みて協議を重ねている」と述べた。
教区報告では各教区議長が、教区総会の報告を行った。協議の中で、各教区の沖縄教区との関係がどのような状況であるかが問われた。複数の教区で沖縄訪問ツアーや学習会を行っているものの、いずれの教区も沖縄教区との公式な交流はないこと等が共有された。また、教区毎に按手礼式の形が違うことを受けて、「教団が教師を立てる際の形式や内容で最低限共有することを確認すべき」との意見があった。この協議の中で、聖路加国際病院のチャプレンで教団の無任所教師の性暴力問題に対する教団としての対応が問われ、雲然議長は、現在慎重に対応している段階で詳細な報告は出来ないことを告げた。
大阪教区常置委員会からの質問に関する件では、「大阪教区常置委員会が第42回教団総会へ提出した3議案についての質問」に対する常議員会からの回答書を送付することを可決した。回答書では、昨年の教団総会直前に開催された常議員会において、大阪教区常置委員会提出の3議案が否決された理由について、北村教師の免職処分に関する議案は、議案が規則に抵触しているために否決されたと判断できるとする一方、沖縄宣教連帯金に関する議案、および、辺野古新基地建設中止等を求める議案については、「この議案が否決されたことの理由は不明であると言わざるを得ないことを確認」したとし、「現常議員会としては、この2議案については承認すべきものであったことを確認し、今後の常議員会での審議においては、より慎重な議事運営をすべきであることを確認」したと述べる。前総会期に常議員だった議員からは、「お詫びしたい」との思いと共に、「議案を総会議案とすることに法的に問題があるかどうかを問い、その指摘が無ければ議案とするような形を取るべき」といった改善策が述べられた。
第43回教団総会に関する件では、2024年10月29〜31日、池袋ホテルメトロポリタンで開催することを可決した。
(新報編集部報)
協議会 機構改定の経過を振り返り、今後を協議
一日目の最終セッションで、教団機構改定に関する協議会が開催された。
黒田若雄書記がこれまでの経過を振り返った。まず、「第40回教団総会における予算決算委員会の意見の中で、2020年度には教団の財政が行き詰まることが予想されるので、それまでに具体的な対応が求められるとの意見があったことが機構改定の始まりであった」ことを確認した。また、「機構改定の議論は、あくまでも教団の伝道対策の中に位置づけられて議論がされてきたことも重要である」とした。「その後骨子が作成され、その骨子に沿って第42回教団総会に向けて議案化することを目的として、機構改定小委員会は活動していたが、議案化することはできず40号議案にたどり着いた。その中で、果たして教団常議員会がどこまで機構改定について意思統一できていたかどうかが疑問としてある」と述べた。また、機構改定小委員会が提出した素案はあくまでも参考資料というイメージだとした。
その後、雲然俊美議長が40号議案について、その基本思想について説明した。続いて、今後の常議員会での扱いについて、「例えば、機構改定の中のある部分に絞って委員会に託す等、各部分に分けて検討する仕方があるのではないか。少なくとも支出の見直しに関しては具体的に手を付けていくことができるのではないか」との私見が出された。
「40号議案の目標、スケジュール、チェック機構、最終責任者はどこか」という議場からの問いに対し、「それを常議員会で考えたい」と議長が応じた。
また、「小委員会に投げる仕方でなく、時間がかかっても常議員会で議論すべき」、反対に「そこまでの時間はないのでは」という意見があった。
最後に、「骨子にビジョンがあり、そこでは伝道局構想があった。そこにしっかりと立ち返って、伝道する教団になるための議論を始めたい」と黒田書記が纏めた。
(小林信人報)
財務関連 22年度諸決算を承認
常議員会二日目、財務関連議案を審議した。
予算決算委員会報告で宇田真委員長は、今年度、対面の集会が増えて来たことを受けて、今常議員会で補正予算を審議してもらうことに加え、年度後半にも補正の必要があると考えているとし、「負担金が減少し、キャッシュフローが窮屈になる中、他団体分担金や海外出張経費の削減の必要があると考えている」と述べた。また、収益事業会計の未収金、会館室料2年分(900万円)滞納について「法的措置を取ることも含めて、行動を起こすことが必要と判断している」と述べた。
22年度教団歳入歳出決算承認を承認した。宇田委員長は、事業活動収支において対面の会議が増えたことにより常議員会費が増額、ドイツでWCC総会が開催され世界宣教委員会費が増額したものの全体では717万円程の差益となったこと等を報告した。
常議員会費が予算を上回ることについて、費用を気にせず小委員会を作ることがあるのではないかと指摘し、予算外の支出がある際の手続きについて質問があった。宇田委員長は、事後報告を受けて補正するという形であったが、今後は「厳格化する必要もある」と述べた。また、キャッシュフローとして持っている1億3200万円の内、出版局への担保と貸付等を差し引くと実際に動かせるお金は少なく、「教団の運営が突然、止まる危険性もある」との指摘があり、宇田委員長は、「動かせるお金は3000万円ほどだが、負担金が入るのが6月であることを考慮すると期初6000万円ほどないと厳しい」と述べた。
23年度第一次補正予算では、事業活動支出において、新任教師オリエンテーション開催のため教師委員会費120万円増、宣教方策会議開催のため宣教委員会費120万円増、エネルギー価格高騰のため事務所費72万円増等、投資活動収支において、遺贈特別会計から2200万円を取り崩し出版局に貸し付けるための補正等を可決した。
その他、各センター、部落解放センター、出版局、年金局、「隠退教師を支える運動」推進委員会の決算等を承認した。
出版局の報告では、飯光局長代行から、22年度黒字となったものの、売り上げは前年度より200万減となったこと、賛美歌(教会音楽)の売り上げ増加が定期刊行物の減少により相殺される状態であること等の報告があった。
年金局の報告では、中川義幸理事長が、退職年金勘定は2561万円のプラスで終えたこと等を報告した。
隠退教師を支える運動の報告では、鈴木秀信推進委員長が、22年度6626万8000円の献金があり、一昨年と比べ5万円減ったものの減少幅が抑えられたこと等を報告した。
伝道資金運用に関する件では、24年の伝道資金の運用を例年通りに進め、運用指針も踏襲することを承認した。協議の中で、制度を利用していない教区が2教区あることについて、全教団的な働きになっていないことを課題として受け止めるべきとの意見、制度開始から間もなく10年が経つことを受けて検証が必要であるとの意見があった。雲然俊美議長は「小委員会で課題の整理をしていただけないか」と意見を述べた。
(新報編集部報)