命が萌え出す春
国別幸福度ランキングが発表され、日本は前年より7位上昇。とはいえ、137カ国中47位、G7では安定の最下位だ。一昨年ユニセフが公表した子どもの幸福度は、OECD加盟国38カ国中ワースト2位。高校生が「自分には価値がある」と考える自己肯定感も、日本は極端に低い。専門家は様々に分析するが、自己肯定感の低さは、他の多くの問題に暗い影を落としている。
「空の鳥をよく見なさい。…あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。…野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。…神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ」とイエスは言われた。
命が萌え出す春、慰められ励まされ、心打たれたりする。しかし、かえって自分の命のことで思い悩み、空しさを覚える人も決して少なくない。「あなたがた(私たち)にはなおさらのこと」と、自分の価値に驚き、喜べる人は幸いだ。
「信仰の薄い者たちよ」。イエスが問題にしている信仰は、唯一の神の存在を信じるなどといったことではない。「あなたがたは、鳥よりも価値があるものではないか」、「あなたがたにはなおさらのことではないか」、それを知らないのか、と主は問うておられる。萌え出るような命を、私たちは現しているだろうか。
(教団総会副議長 藤盛勇紀)