教区議長の働きを担う中での大きな感謝は、四国のそれぞれの場で歩む信徒の方々の、信仰の歩みから出てくる言葉に出会わせていただけることである。
かなり以前になるが、南予分区のある教会の役員の方々と、懇談する時があった。一人の方が、こう言われた。もし、この教会がなくなったとしても、今なら車で約20キロ先の隣の教会の礼拝に出席はできる。しかし、高齢となり車の運転が出来なくなれば、遠距離通うことは難しくなる。そして、最後にこう言われた。「高齢化が進んでいる四国だからこそ、四国にはもっと教会が必要ではないかと思います」と。私は、本当にその通りだと思わされた。高齢化が進むからこそ、礼拝出席が可能な範囲に教会があることはどんなに大きな意味があるのだろうかと、考えさせられた。
四国教区は、それぞれの教会を伝道の拠点と受け止め、この伝道のネットワークを大切にしてきた。そして、高齢化が進むからこそ、更にきめ細やかなものにしていく必要があるのではないかと、思わされている。
体が真に生きるために隅々まで毛細血管が伸びているように、日本の隅々にまで伝道のネットワークが広がっている。そうして、日本のどこでも礼拝を捧げ信仰の道を歩むことが出来る。そんな教団の将来を、祈り求めていきたいと願わされている。
(教団総会書記 黒田若雄)