YMCAだからこそのウクライナ避難者支援
2022年3月よりウクライナから日本に避難してくる人々お一人おひとりに伴走する支援を行ってきました。現在、関係省庁や東京都との連携もあり、761人(11月30日)への伴走支援を実践する国内最大規模の支援団体となりました。支援の内容と形態は時間の経過とともに次のような変化を遂げています。
【第1フェーズ 避難支援】
2022年3〜4月ごろ
ヨーロッパYMCAと連携し、ウクライナ出国から来日までの支援、空港出迎えや国内移動の補助、ホテルでの隔離、住宅への案内などという一連の支援を継続しています。支援開始時に、一人ひとりに寄り添い伴走していく、というYMCAの姿勢として、「避難民」ではなく「避難者」と呼ぶことにしました。
【第2フェーズ 生活支援】2022年5〜6月ごろ
住居手配から保育園探し、日本語学習の機会提供など日本での生活をスタートするための支援を展開しました。また、交流・学びの場「Ukraine Café HIMAWARI」をオープンし、身近なお店で買える食品や清掃用品の使い方を伝える生活講座や無料バザーなどを実施しています。現在はウクライナ語で読める児童書を集めたミニ図書館「HIMAWARI文庫」を併設してカフェの運営を続けています。
【第3フェーズ 個別支援】
2022年7月以降
都営住宅などへ個別訪問を実施し、ヒアリングによるニーズ把握と支援策とのマッチング支援を新たに展開中です。病院への同行、子どもの宿題サポート等、各家庭での個別支援から、体調不良につながりやすい心のケアを実践するための取り組みなど、多様な支援活動につなげていきます。
第3フェーズに入った現在では、個別訪問により把握されつつある避難者が抱える課題やニーズへの個別の解決策提示、行政や他団体との連携を含む組織的な取り組みへの提言などを同時に展開しています。特に都営住宅などを訪問しての聞き取りからはさまざまな要因による心身の不調が増えている傾向が見られました。まだ終わりが見えてこない避難生活の長期化からこの第3フェーズを「心の折れる時期」と捉え、メンタルヘルスケアなどを含む新しい伴走支援に取り組んでいきます。
これらの活動は全て皆様からのご寄附によって支えられています。これまでご寄付いただいた皆様への感謝と共に、長期化が予想されるこの活動への継続的なご支援・ご寄附、どうぞよろしくお願いいたします。
(石橋英樹報/日本YMCA同盟ウクライナ避難者支援プロジェクト担当)