11月3日に、前任の須崎教会の付属幼稚園で、創立百周年記念礼拝が行なわれ、私も出席させていただいた。高知の港町の伝道に取り組んだ宣教師夫人が子どもを招いたことに源流を持つ幼稚園は、厳しい状況を何度も乗り越えて、百年歩んできた。関わった多くの人たちの働きがあったことを思うが、これまでの歩みは、神に導かれたという以外ないことも思う。
私が園長として関わっていた時、ある保護者から「幼稚園は、ぶれないですね」と言われたことがあった。その意味は、神の眼差しに立ち、子どものために何ができるか、それに徹している幼稚園であるということであった。記念礼拝後の祝会で挨拶された保護者は、「幼稚園が今の姿のまま、ずっと須崎で歩み続けてほしい」と言われた。その言葉に、ぶれないで今も歩んでいることを受け止めさせられ、とても励まされる思いがした。
今、教会は、激しい時代の風に晒されおり、その状況に対応する必要はあると思う。しかし、教会が究極的に何をなすべきかは、変わらないのではないかとも思わされている。どのような状況になっても、一心に主の福音を伝える、そのことにぶれずに歩むことが求められているように思う。そうして歩む時に、教会としての使命を果せるのではないか、記念礼拝の帰り道に、改めて受け止めた思いである。
(教団総会書記 黒田若雄)