恵みに生かされて
奄美・喜界教会員
上村小夜子さん
喜界教会の上村小夜子さん(79歳)は礼拝や、諸集会には欠かさず出席、土曜日には礼拝堂のお花を活ける。教会の役員として、また教会を代表して奄美地区委員会にも出席し、「島の教会」の宣教を担い支えている。地区の集いには海を越えて奄美大島などへ飛行機や船で出かけ、役割を担っている。
生まれは台湾・台北市。敗戦後に4歳で両親の故郷・喜界島に。当時、喜界島は米軍統治下にあった。その中で行われた、信徒の群れによる日曜学校に、上村さんは毎週楽しみに出席していた。両親はクリスチャンではなかったけれど、日曜学校に行くことを勧めてくれた。
奄美群島の施政権が日本に返還され(1953年)、教団の奄美特別開拓伝道が計画された。その端緒として1956年、福井二郎牧師が喜界島に着任、喜界教会が設立した。上村さんは中学3年のクリスマスに受洗。鹿児島の「教会高校生キャンプ」にも参加した。
喜界高校を卒業後、進学のため東京へ。福井牧師の紹介で原宿教会(当時:神政三牧師)に下宿しお世話になった。教会幼稚園の保育室で寝起きし、2年間、夜間の保育専門学校に通った。見ず知らずの若者を快く引き受け、温かく接し、心身ともに育ててくださった原宿教会の方々への感謝を忘れることはできない。
幼稚園教諭として歩み出した1963年、福井牧師が池袋西教会に赴任され、これを機に同教会に転入。六つの幼稚園や公立の児童館などで働き、時に壁にぶつかりながらも喜界島に戻るまで教会から離れることはなかった。
2018年、上村さんは介護のため帰島。母親の逝去後も島に残り、教会奉仕を続けている。「神さまに与えられた恵みの一部でもお返しできたら」と願っている。