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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4985号】人ひととき(4面)

2022年11月12日

神の愛を見出しながら

1941年生まれ、本多記念教会員
小栗 庸一さん

 英国エリザベス女王の国葬の際に皇后陛下が着用したスーツを仕立てたのが小栗庸一さん、その人である。
 小栗さんは名古屋生まれ。教会の伝道の手伝いをしていた父親は、小栗さん誕生の数日前に肺炎で召された。
 高校卒業後、祖父の母校であった青山学院大学に入学。「教会って何だろう」と思い青山学院教会に通い始め野呂芳男牧師と出会う。卒業後に単立みずき教会で野呂牧師より受洗したが、やがて様々な事情から教会を長く離れた。その後、大学の宗教音楽合唱団同期で同じくみずき教会で受洗した妻に誘われて本多記念教会に通うようになり後に転会。礼拝担当の役員を務めるなど教会を支えている。
 仕事では大学卒業後に営業マンになるもファッションデザイナーを志し1年で辞め、服飾デザイナーの伊東茂平氏に師事。4年間内弟子として学び、呉服問屋勤務を経て35歳で独立。近年は皇后陛下の衣装の仕立てや直しを任されている。毎年の終戦記念日の全国戦没者追悼式や、先日の沖縄訪問の際に着用された衣装も小栗さんの作品だ。
 「思いどおりにならないときほど神を感じる」と小栗さん。仕立てた服のサイズが合わず作り直さなければならないこともある。しかしうまくいかないときこそ、昨日よりもワンランク成長できると信じて仕事をしている。だから「高いハードルに出会ったときほど、神に見捨てられていないと感じられる」と語る。
 伊東氏から「何をしていても美しい物が何かを気付く心の目を持つこと」を教えられた。それは信仰にも通じる。いかに神様に愛され守られているかを信仰をもって見出すことである。仕事が思い通りにいかないことにも主を見出し、その主に支えられながら小栗さんは81歳の今も精力的に歩んでいる。

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