恵みに満たされる日々
藤永 恭子さん
1895年、明星幼稚園は、日本基督教団山口教会初代牧師である服部章蔵の、「質の高い幼児教育が必要」との要請を受けて宣教師コルテス婦人を園長に迎え、開園した。
幼児教育は時代や親のニーズによって内容が左右される。早期の英語教育やスポーツを取り入れる園がある中で、本園は開園以来一貫して、あそびを通して幼児の自然な発達を促すというフレーベルの幼児教育理念に基づいた保育を行っている。今日でこそ、あそびの重要性が見直されているが、一斉保育が主流であったころから明星幼稚園では子どもが自らあそびを選び取る自由保育を大切にしてきた。
明星幼稚園は2023年度から認定こども園への移行を決定し、現在園舎の新築工事中である。合わせて園庭改修もプロの監修を依頼し、プロジェクトを立ち上げた。自然や手作りの遊具に囲まれ、神さまの豊かな恵みを感じながら子どもが主体的にあそび、一人ひとりがその子らしく成長して欲しいと願っている。
現園長の藤永恭子さんは、園舎建て替えや、認定こども園の移行等、激務に追われる中、毎週の所属教会への礼拝出席を欠かさず、オルガニストとしての奉仕も続けているる熱心なクリスチャンでもある。揺らぐことのない神への信頼を根幹に持つ、園長としてのあゆみを彼女はこう振り返る。「幼い時に神さまに出会う子どもたちの幸福を目の当たりにしている。入園して間もない3歳児が、泣いている友だちのために祈る姿や、クリスマスに『苦しみの中にある人たちのために何か自分たちにできることはないか』と真剣に考え合う年長児の姿等々、子どもたちの育ちのために確かに神さまが生きて働いてくださっていると実感し、恵みに満たされる日々である」。