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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4967号】変化の中に主の恵みを受け止めて-宣教師からの声 (1面)

2022年2月12日

コロナ禍でつながる

石田 求 《アメリカ合同教会 シカモア組合教会日語牧師》

 私が仕えるシカモア組合教会は、昨年の5月から対面とズームを使ったハイブリッド礼拝を守っているが、周辺地域の教会では一度も対面礼拝を再開せず未だにオンライン礼拝を続けているところが多くある。また昨今の状況から一度は再開したものの再びオンライン礼拝に戻る教会も多い。正解のない状況の中で、どのようなスタンスを取るかは各個教会に委ねられている。

 私はコロナ禍のため約1年の間、日本で待機をした末に昨年の2月にようやく着任した。アメリカはその頃からワクチン接種が進んでいたため、私が来てすぐに対面礼拝再開のために動き出した。時期尚早という声もあったが、説得を重ね、対面とズームのハイブリッド礼拝の再開に踏み切った。日語メンバーの方が英語メンバーよりも年齢層が若いことから日語礼拝から試験的に再開した。その後、日語礼拝には順調に人が戻り、先のクリスマスには2名の転入者が与えられたが、英語メンバーは高齢化が進み、対面礼拝の参加者は少ない。

 教会から足が遠のく中、なんとか来てもらえないかと事前予約のドライブスルー方式で、当日は車内で弁当の受け渡しができる弁当セールを何度か行った。バザーも同じように弁当のみの販売で行った。すると普段来ない人たちが大勢集まった。

 コロナ禍で外出しないようになり、足腰が弱った方もいる。運転もしなくなり、ドライブに不安を覚える方もいる。礼拝は危険だと家族に止められている方もいる。そのような方々が家族や近所の人にお願いして、弁当を受け取りに来た。その方々は教会に行く理由を探していたのではないかと感じた。

 現在、いくら感染拡大防止策を講じても100%安全とは言い切れないため「教会に来てください」と言いにくい。教会に行くかどうかは個人の意思に委ねられている。その中で教会に行きたくても行くことができない方がいることを忘れてはならない。その方々が教会に来ることができる機会を、状況を注視しながら絶えず探し求めていきたい。この長いトンネルを抜けた時に、教会が理由なしに行きたいと思える場所になるために。


神さまと人から離れず生きる

秋葉睦子 《ベルリン日本語教会牧師》

 コロナ禍で小さな群れにも多くの変化がありました。昨年春以降は、現地ドイツ教会の墓地や軒下で屋外礼拝を守り、秋からはホールの片隅で換気しつつ対面礼拝を続けています。ロックダウン中はメールでの説教配信でしたが、逆に新たな視点も与えられました。牧師も信徒も電話やメールでこれまで以上に頻繁にやり取りし、絆が深められました。ただでさえ海外生活はストレスも多く、母国語で祈りを合わせ、御言葉を聴く重要さを改めて痛感しました。マスク越しでも対面礼拝を分かち合えることは本当に大きな恵みと励ましです。讃美もマスク着用で、聖餐にもあずかれず、愛餐会や集会も中止で牧会訪問も控え、もどかしさが募りますが、主にある希望を忘れず感謝をもって歩もう、と小さな群れも頑張っています。

 ここにきてドイツでは感染が増え、特に子どもへの感染が急増中です。息子たちの学校でも多くの陽性反応が出ています。ロックダウンによる学校閉鎖で、学業と精神面での子どもへの影響は深刻です(保護者も)。子どもたちへのワクチン接種も開始されましたが議論は尽きません。各人のコロナに対する意見や対応の温度差は大きく、ベルリンでもコロナ規制反対デモが頻繁に行われ、分断を憂えています。ドイツ教会でも対面礼拝中止の所もあれば、マスクなしで屋内で讃美する所もあり、各教会によってかなり異なります。

 礼拝や集会の在り方は各教会の判断次第ですが、そのアプローチは様々です。近所の現地教会では野外礼拝を何度も守り、4回のクリスマス礼拝は駐車場で持たれました。音楽家が代表で独唱や演奏することも増えました。ベルリン日本語教会も長く関わる東アジア合同礼拝やエキュメニカル礼拝などは全てオンライン配信となりましたが、不安を超え実に鮮やかに喜びの礼拝を備えてくださった主の恵み深さに、ただ感謝でした。

 ユーチューブやポドキャストでの礼拝配信やラジオ、テレビでの礼拝中継も定着し、礼拝も神様との出会いもグッと幅が広がりました。主の恵みの可能性と多様性を実感する良い機会となりました。困難な時代ですが、どのような方法でもどのような時でも、神さまと人から離れず寄り添って生きることの大切さを日々示されています。

新型コロナウイルス感染拡大の渦中で,教団新報
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