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関係委員会と「教師論」について懇談
「日本基督教団の教師論」が常議員会で承認されたのを受けて、同教師論の作成に当たった教師養成制度検討委員会は、先の神学校訪問に続いて、教団で教師の検定や育成に関わる務めを担う関係委員会と懇談の時をもち、「教師論」の受けとめ方や今後の展開をめぐって意見交換を行った。
教師委員会との懇談は、10月12日、教師検定委員会との懇談は、11月2日、いずれもオンラインで開催され、初めに教師養成制度検討委員会の菅原力委員長が「教師論」作成の経緯について説明し、東野尚志書記から神学校訪問の様子を報告した後、質疑応答に続けて自由に意見を述べ合った。
教師委員会との懇談においては、かつて三委員会連絡会で教師論が議論されたこととの継続性の必要を指摘する意見がある一方、そのような議論があったとしても、このたび教団の中で教師制度を支える言葉が明確にされたことを評価する意見も述べられた。また今後、新任教師のオリエンテーションや教師の継続教育の中で「教師論」を取り上げていく必要があることや、式文の取り扱いが重要になることの指摘もなされた。
教師検定委員会との懇談においては、実際に、教師の検定に携わる中で、信仰告白を知ってはいても、これまで一度も告白したことがないと言う受験者がいる現実や、信仰告白や教憲・教規が言葉としては用いられても中身を素通りしている状況についての指摘があり、内容理解を充実させる必要が訴えられた。また、教団から明確に教師像を示すことで、神学校との対話や協力が具体的に進んで行くことへの期待も述べられた。二種教職制の問題や説教の課題、教師の召命感喪失への対応についても語られた。
いずれの懇談を通しても、戒規を含めた教規に基づく教師論の展開が、今後大事な意味を持つと共に、「教師論」の全体像が描かれたとき、それをどのように用いて行くかが問われることを受けとめた。
(東野尚志報)