この頃は、マスコミではなくメディアと呼ぶようになった。日本で国際的な催しが開かれる時など、「海外のメディアが到着しました!」と日本のメディアが伝えている。インターネットが普及し、SNSによる情報発信が盛んになされるようになり、もはや新聞やテレビによる情報の大衆伝達(マス・コミュニケーション)ということだけでは済まなくなっている。
マスコミと違いメディアは、きわめて限定的な情報を、より深く掘り下げて発信したり、情報の受け取り手との双方向のやり取りを行っている。単なる情報伝達の手段・方法ではなく、情報を発信する側と受け取る側とをつなぐ媒体なのである。
ところで、7月にオンラインで、東京神学大学教授会と教団役員の懇談会をもった際、これからの教会の伝道におけるメディア活用の検討ということが話題になった。その時すかさず、ある神学教師が、「キリストは神のメディアですからね」と言われた。さすがの発言である。たしかにイエス・キリストは、「神と人との間の仲介者(メディエイター)」(Ⅰテモテ2・5)であられ、福音伝道のメディアであられる。
コロナ禍で、多くの教会で礼拝の動画配信等がなされている。対面での伝道活動が困難な状況において、メディアを用いて、メディアとしてのイエス・キリストを伝えていきたい。
(教団総会書記 雲然俊美)