祈りに支えられ、感謝を込めて
社会福祉法人賛育会 理事・特別顧問 島田茂
各地で災害をもたらした2019年10月の台風19号から2年が経ちました。社会福祉法人賛育会が運営する豊野事業所(長野市)は、千曲川の堤防決壊により、全施設が一階天井まで浸水し、甚大な損害を受けました。
今年4月で1年半に及んだ復旧工事が完了し、予定していた事業を全て再開し、被災前以上に地域の方々に利用していただいています。日本キリスト教団東海教区を始め、各地の教会と教会員の皆様からのお祈りとご寄付に深く感謝申し上げます。
当時、入居されていた276名の方々は、垂直避難により人的被害はありませんでしたが、DMAT(災害派遣医療チーム)や特定非営利活動法人AMDA等の支援を受け、全員、他の病院や施設に避難していただくとともに、介護医療院、老人保健施設、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームの入居系4施設とクリニック・訪問介護など通所系の全事業を停止しました。
イエス・キリストに教えられた隣人愛のミッションに基づき「地域の復興なくして、豊野事業所の復興なし」を合言葉に、被災した地域支援に被災直後から休みなく取り組みました。瓦礫の撤去に始まり、社協や地域のNPO、県外のボランティア団体とも協働して、支え合いセンター「まちの縁側ぬくぬく亭」の開設と運営に関わりました。最大で15名の専従職員を配置して、被災による住宅解体のための汚泥除去、個別訪問、休校中の中学3年生の学習支援、炊き出し、足湯などのイベントや作業と傾聴を実施してきました。特に新型コロナウイルスの感染が広がる中、「被災者を孤立させない」という思いから、配食や戸別訪問の強化、電話による励ましなど、三密を避けながらできる支援を継続しました。
賛育会は、2018年7月に中村基信常務理事(東京池袋教会員)のリーダーシップによってミッションサポート部が開設され、専従職員、チャプレン、そして、私の4名が担当することになりました。年間聖句・月間聖句・讃美歌を制定し、各施設への聖書・讃美歌の配備等や研修でのキリスト教理解の強化を始め、職員へのミッションの浸透を図っています。
墨田区にある賛育会病院では、山崎正幸チャプレンを中心に2019年から金曜日の昼に礼拝を行うようになりました。新型コロナの影響で昨年3月末から集まっての礼拝は休止していますが、チャプレンメッセージの配信は継続しています。法人事務局ではテレビ会議システムによる朝礼で、月間聖句の拝読と祈りから業務をスタートすることが定着しています。
今年4月には病院の院長に心臓血管外科医の髙本眞一氏が就任し、キリスト教に基づいた「患者とともに生きる」医療の実践と改革が始まっています。9月からは新型コロナ感染患者受入れ病床を広げ、感染した妊婦の出産も支えています。
クリスチャンの医師、看護師、介護士、保育士等職員を求めています。賛育会クレドの実現のために教会員の皆様のお支えとお祈りをお願いいたします。