東中国教区にある47教会のうち約3割にあたる14教会は代務及び兼務体制での宣教活動が執り行われている。現役の教職は38名だが、その多くの主任教職は複数の教会に関わりをもっている。
従来より東中国教区は教職の生活を支え、教職が教区に留まり続けることがキリスト教宣教を進めていくことであるとの理解をしていた。
しかし、2009年度より5ヵ年計画で策定した「中期宣教プロジェクト」が2014年の教区総会以降、様々な課題の問題点を整理し、東中国教区のキーワードである「宣教強化」の内容の再検討を促していき、やがて教区は、「礼拝の群れである教会や祈りの集まりの活動こそがキリスト教宣教を推し進めるうえで支援を必要とする」という理解にいたった。
おりしも教団伝道資金制度が発足したので、ここで申請した資金の一部を「教会支援教師派遣事業」として活用することとした。隠退教師など条件を理解いただける教職に事業担当者として登録して貰い、礼拝の群れが教区に申請すれば、登録教師を派遣する制度である。教区は登録教師への奉仕謝礼、交通費、宿泊費を資金から支出する。申請者はお招きする教職を送迎することのみを役割として担う。
教区では祈りの群れの礼拝を支援することこそキリスト教宣教に資すると認識し、教職の派遣によって宣教を応援すると考えている。この事業について申請者はいつでも何度でも利用することができる。
また、この事業は、いかなる理由であっても申請することができる。これは教会に専従する主任教職に休んでもらいたかったからだ。教区では、この事業を立ち上げるときに、「安心して教職が病気になれる、早期に検査に行ける、本来的な回復のための休みを得られる制度にしたい」という希望が述べられてきた。これまで病気になってはならないとの脅迫的な緊張感のあった現場に、継続的な宣教ビジョンを示す制度として活用していけるのではないかと考えている。
東中国教区ではこの事業の実施実態にさらなる検討を加えて制度を育てていきたいと願っている。(中井大介報)