神からいただく導きの中で 森稚子(牧師夫人研究委員会委員長)
世界で最初の牧師夫人は誰でしょう。マルチン・ルターの妻カタリーナと言われています。それを知ったのは、第17回全国牧師夫人の会で千葉支区牧師夫人会の皆さまの発表によるものでした。時代は違えどもカタリーナは信仰を護るために、夫と教会、地域に仕えた女性でした。多くの人々の食事を賄うため、畑を耕し、品物を売って現金を得ようとする姿は、特に会堂建築などを経験した者にとって共感できる事柄でした。
牧師夫人研究委員会は、全国教会婦人会連合の小委員会の一つです。1967年に婦人伝道専門委員会が主催した全国集会で、「私の訴え」と題し、2人の牧師夫人からの率直な発題が行われたのを機に、牧師夫人の手による「牧師夫人生活実態調査」が発表されました。その結果、牧師夫人一人で担える問題ではなく、日本の教会全体の課題であるとして、1975年に「牧師夫人委員会」が発足し、①全国レベルの会を持つ、②互いの実態を知って伝道の活力とする、③各地で開かれる牧師夫人会に参加し報告を聞き、交わりを深める、この3つを基軸として活動してまいりました。1981年に牧師夫人研究委員会と改称しましたが、活動内容は変わりなく受け継がれております。
委員会の構成は、教職の牧師夫人2名、牧師夫人4名、信徒2名の8名で、委員長は牧師夫人から推薦されます。月1回第4木曜日に委員会を開き、まず、礼拝で連合の主題となっている聖書箇所からみ言をいただき、主に、機関誌・全国牧師夫人だより『道のり』の編集・発送と2年ごとに開催される全国牧師夫人の会の企画・立案をおこなっています。
今年は、1968年、1979年、1995年に続いて4回目のアンケート調査を『道のり』53号(2011年1月15日発行)にて実施し、この度、全国の教会に送ることにいたしました。牧師夫人のおられない教会や女性教職が牧会される教会もありますが、許される範囲でご回答をお願いいたします。
また、今夏は第18回全国牧師夫人の会を、次の通り開催いたします。
◎日時 2011年8月23日13時~25日12時
◎場所 鎌倉教会、KKR鎌倉わかみや
◎テーマ 共に歩む幸い<--神の時「試練が恵みに変わるとき」
◎講師 東京神学大学学長 近藤勝彦牧師
◎費用 申込金 3、000円、
参加費 27、000円
遠隔地から参加される方のために、交通費の互助制度があります。詳しくは、『道のり』第53号をご覧ください。
牧師夫人という響きに様々な思いが去来します。牧師の伴侶にとっても、教会員の皆さまにとっても、カタリーナをはじめ、様々な牧師夫人の姿があると思います。また、牧師夫人という呼び名にも、何か戸惑う方もあるでしょう。
最初の人アダムに、神は「彼に合う助ける者を造ろう」と言われ、エバ(命)をふさわしい助け手として造られました。「二人は一体となる」と聖書が語るように、伝道者との結婚において、伴侶の召命に与る者とされています。
時代が変わり、置かれた状況が違い、在り方は異なっても、牧師夫人は共に教会に仕え、家庭を守り、まわりの人々に配慮していくことに変わりはないと思います。牧師夫人像というものをそれぞれの考えによって縛ることなく、神からいただく導きの中で自由闊達に、その務めを全うしていけますように、お祈りをお願いいたします。