閉塞打開へ具体的方策提言
常議員会への委託となった第37回教団総会議案37号「伝道方策検討委員会を設置する件」が、常議員会議事第22号として上程された。
提案者は、総会と同じく鈴木功男常議員。「教勢の長期低迷傾向にある中で、日本基督教団として伝道について検討し、当面の具体的な方策を提言するため、伝道方策検討委員会を設置する」が、議案の内容であり、下記(抜粋)のように提案理由が述べられた。
また、客観的説得力を持つ付録の図表「日本基督教団教勢資料」「数字で見る日本基督教団の姿・受洗統計、財務統計」によって、教勢の厳しい現状と、近未来予測が語られた。
提案理由1では、次のように非常に厳しい言葉で、切羽詰まった現況の打破が訴えられた。
いわゆる教団紛争で「伝道」が死語とされ、教団は「荒野の40年」を歩むこととなった。その結果、受洗者は減り、財務を含めた教会の体力は弱まっており、このまま推移させてはならない。この間、プロテスタント他教会には応分の成長をとげたところが多いのを見ても、伝道の怠慢を主に懺悔しなくてはならない。
提案理由2では、教団の各委員会等で現状分析と将来予想がなされ危機感を共有していることが指摘され、「この機を逃してはならない」とした。
提案理由3では、数字が雄弁に語る危機を克服するためには、「教団をあげて伝道の方策を練り、体制を整え、試みを共有していくための中心点として、伝道を特別に検討する委員会はどうしても必要である」と強調した。
提案理由4では、既存の伝道委員会の活動の現状に触れ、「伝道委員会には従来の申し送り事項をしばらく堅持する必要がある」ので、「教団が新しい伝道体制を模索するためには、このことを集中的に扱う特別委員会を速やかに設置する必要がある」と訴えた。
審議に入り間もなく、小林貞夫常議員が、「伝道方策委員会設置について、伝道そのものについて全常議員の発言を求める」と提案した。これが認められ、ここから膨大な時間を費やして、新委員会設置の是非に留まらず、むしろもっと大きい視野での「伝道についてのビジョン」が語られることとなった。
別掲記事(3面)のように、全常議員、出席の全教区議長、要請陪席の諸委員会委員長が、一人ひとり、常のような時間的制約もなく、5時間以上にわたりその思いを語った。
全数連記の投票によって誕生した常議員会であることを危惧する声は小さいものではなかった。しかし少なくとも、この議論では意外な程に、それぞれの教会が置かれた状況・立場などを踏まえた多様な考え方が述べられた。ただ、伝道への情熱、何らかの緊急な手当が必要だということでは、陪席も含めほぼ全員の意見が一致していた。
結果、各論ではいろいろと懸念も表明されたにも拘わらず、「伝道方策検討委員会を設置する件」は、全員の賛成で可決された。
《委員》招集者・北紀吉(愛宕町)、岡村恒(大阪)、張田眞(鳥居坂)、米倉美佐男(札幌)、鈴木功男(目白)、岡田義信(田園調布)、伝道委員会より推薦者1名。
《職務陪席》岡本知之副議長。
(新報編集部報)