「差別するのはやめろよ」と声をあげる 東谷誠
部落解放センターが開設されて29年がたちました。私がセンターと深く関わりをもたせていただいて23年位になります。特に今も忘れられないのは、天理でおこなわれた、第3回部落解放全国会議に参加したことであります。その全国会議に参加したことにより、私は今までみんなの後についていこうとしていた解放運動が"自分がやっていくぞ"に変わりました。参加者の何人かが、立ちあがり「部落民宣言」をする、また、他の人が自分の部落解放への思いを語る、元気の無い発言があると、「もっと頑張れ」「元気がないぞ」とかのやじやエールが飛んでくる。みんなが一体となって部落解放の取りくみをしていこうという気概を感じました。差別を受けて苦しんでいる人、悲しんでいる人と共に生きていこうという熱い思いが感じられました。ストレートに思いが伝わってきました。
あれから、20年たちました。時代も環境も変わりました。部落解放運動のおかげで、部落差別はある一面少なくなりました。一定の成果はありました。しかし今も差別があります。どうしたらいいのか。世の中の風潮として、"隠す""だまってたら自然になくなる"とかがあります。私は違うと考えています。差別を受けて痛い時には"痛い"と声をあげ"もう差別するのはやめろよ"と言葉を声を大にしていう。「部落民宣言」をしても差別されない社会が必ずやってくる。その事を信じ、願い、今与えられている部落解放センター運営委員長として、さまざまな取り組みを行い、歩んでいます。
(運営委員会委員長)
*「部落民宣言」...被差別部落出身者が自ら出身であると告白する。