第13回アジア・キリスト教協議会(CCA)総会が、4月15日から20日まで、マレーシアの首都クアラルンプール市において開催された。主題は「預言と和解と癒しへの召命」で、日本基督教団からは代議員として大宮溥が出席、他にNCCから4名、在日大韓基督教会から1名が参加した。
《アジアの中の教会の使命》
総会における議長団、総幹事、名誉会計等の報告を通じて描き出されたアジアの地域的文脈は、全体的にやや向上安定が見られるが、貧困、暴力、性差別、集団的独占と強制的移動、環境破壊、核武装と軍事増強、人権侵害と少数民族弾圧に苦しんでいる。アジアの教会はこの現実に対して挑戦し「預言者的批判と、和解と癒しへの参与」を求められている。
このような状況に立ち向かうためには、諸教会と諸国家が一致連帯して取り組まなければならない。しかるに近年アジアにおいてはエキュメニズムへの情熱と献身とが衰えている。エキュメニズムに対して、福音派や原理主義(根本主義)、また独善的な教派主義が台頭している。今一度キリストの福音を共に担う姿勢を確立するだけでなく、他宗教や社会の他の人たちとも、真実の共同体形成のために協働することが求められている。
このような課題と取り組みについて、協議会やフォーラムでの論議が交わされた。
《新しい執行体制》
総会は現任のプラウアト・キド=アーン氏の後任として新総幹事にヘンリエッテ・タビタ・フタバラット=レバン博士(インドネシア)を選出した。CCAにおける初の女性総幹事である。
日本からは常議員として上田博子牧師(NCC総会書記、総幹事代行事務取扱)、信仰宣教一致委員に木谷佳南さん(同志社大学院生)、正義国際発展奉仕委員に許伯基(ホ・ベッキ)牧師(在日大観基督教会)が選された。
《新しい事務所》
CCAは2006年に事務所を香港からタイのチェンマイに移転した。種々の面で転換期である。
(大宮溥報)