第60回九州教区総会は、5月4日から2日間、福岡中部教会に正議員244名中、開会時203名が出席して開催された。
深澤奨議長は、議長報告の中で、「諸教会・教区の財政状況悪化、東京教区の連帯金留保による200万円の収入減もあり、教区財政のスリム化と来年度の機構改正に併せて、教勢・財政の現状に見合った組織の合理化を目指したい」と今総会の重要課題を指摘した。また、前回総会で可決に至った按手礼式執行に触れ、「受按者の牧する教会で4件執行した。新方式には、受按者全員の所信表明を分かち合えないというデメリットがあり、司式者(議長もしくはその代理)1人の按手に異論もあるが、これには2種教職制の解決が不可欠だ」と述べた。
議長報告は挙手多数で承認された。
財政のスリム化を目指す教区教会互助規則改定で、教師謝儀保障援助金を①上限200万円②75歳までとし、経過措置として本年4月現在該当する受給者は、①は2年間②は3年間、従前通りとする改定案を提案。これに対し、「年齢制限でなく平等に削減すべき」との反論も出たが、172人中144人の多数で可決された。ちなみに09年度最高受給者は382万円、10年度285万円となっている。
また、謝儀保障対象外の2種教会、伝道所に対し①1教会当たり上限24万円②総額120万円、とする教区伝道費援助金規則を挙手多数で可決・制定した。
来年度の施行を目指す機構改革は、「10年間に756人の会員が減少し、10年後に負担金が530万円減少することが予想される。留保を取り崩すとしても年200万円の削減が必要」とし、「常置委員会・各部・各委員会の定数2割削減、開催回数削減、集会の隔年開催・併催」を継続議案として提案した。これに対し、「試算が甘すぎる。10年後の教勢は加速度的に減少する」「展望が暗すぎる」などの異論が出て、「将来に向けて伝道を推進するための機構改正」の修正案が出たが少数否決。原案が挙手多数で可決された。
九州キリスト教会館の管理運営問題は、「教区内の教会をメンバーとする一般社団法人(もしくは権利能力のない社団)を設立、来年度の機構改正と同時に実施出来るよう努める」との議案を賛成多数で可決した。
教団問安使の佐々木美知夫教団総会副議長は、議長挨拶を朗読後、教団の教勢に触れ、「08年度、1年間で現住陪餐会員は1925人減少し、5億2700万円の減額となった。これは、中規模の1教区が消滅したことと同じだ。10年後には現住が6万人台になることも予想される」と警鐘を鳴らした。
議場からは、「九州教区が行った戒規申立が不受理となった。その理由は何か」と北村教師問題との整合性を突く質問が出たが、佐々木副議長は、「教師委員会の決定は本日の議長報告で初めて知った。戒規申立の内容は開示されないので、三役も不受理の理由を知ることはない」と答えた。
教団総会議員選挙では、「予備選による倍数候補選出」の修正案が出たが、総数183人中、賛成44の少数否決となり、原案通り選考委による倍数候補選出で行われた。
総会前日の3日夕、柴田もゆる西中国議長を講師に北村教師問題をテーマにした研修会が開かれ、予想を上回る70数名が出席し、この問題への関心の深さを伺わせた。総会では、北村教師に対する「不法な手続きによる戒規適用を無効とするよう要求すると共に、審判委員会に対して直ちに無効を宣するよう要求する」建議が賛成多数で可決された。
教団総会議員選挙結果
【教職】深澤奨(佐世保)、梅崎浩二(大牟田正山町)、東島勇気(門司大里)、西畑望(大分)、青山実(徳之島)、福島義人(小倉東篠崎)、原和人(長崎銀屋町)、鈴木重正(佐賀)、松崎豊(福岡弥生)、日下部遣志(川内)、木村真彦(久留米東町)、古屋治雄(福岡中部)
【信徒】浅野直人(福岡警固)、伊津見七生子(若松浜ノ町)、山口紘三(佐世保)、藤井涼一(大分)、園眞實(国分)、大北信子(中津)、西真弓(長崎銀屋町)、平嶋紀子(大牟田正山町)、山口貞嘉(福岡弥生)、白蓋勉(志布志)、千葉昌秋(熊本草葉町)、伊藤清蔵(福岡中部)
(永井清陽報)