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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4692号】献身のとき No.12

2010年2月13日

主導権は神さまに

二宮 幸雄 (勝田教会牧師)

振り返ってみれば、私にとって「献身のとき」は2回ありました。

第一の時は教会に行き始めてまもなくでした。18歳で教会に行き始め、19歳で洗礼を受けて一年ほどの時、嬉しくて、天国を知らない多くの人に神さまの話をする「天国のセールスマン」になりたいと思いました。それには神学校に行き、牧師になることだと思いましたので、さっそく所属教会の牧師にそのことを話しました。すると答えは「10年早い。そういうことはまじめに信仰生活をした人の言うことだ」と言われました。

それからの10年が私にとっての第一の献身でした。神学校に行くには高校を出ていなければいけないと知り、勉強が始まりました。家庭の事情により、小学校を出ただけで働いていた私は、一時は途方に暮れましたが「途方にくれても行き詰まらない」(第二コリント48節)という御言葉に励まされて祈りました。

苦労の末に何とか道が開かれて近くの県立高校で、中学卒業検定試験をしていただき、定時制高校に入りました。教会生活はCS教師をしながら続けました。その間に家の経済も何とかなり、神学校に行けるようになりました。30歳でした。牧師先生が言われたとおりだとつくづく思わされました。献身を願うのは「自分の時」ですが、叶えられるのは「神さまが決めた時」でした。

神学校時代は6年間、経堂緑岡教会に出席し、深町正信先生の指導を受けました。すばらしい先生に恵まれたと今でも感謝しております。神学校での教育と共に、教会での訓練はその後の伝道者としての生き方に大きく、深く関係します。牧師館の玄関に掲げられていた御言葉の額に「キリストだに己を喜ばせ給はざりき」(ローマ書十五章三節)とありました。今だに私の心に響いています。

神学校卒業後、阿佐ヶ谷教会の伝道師になりました。そこでまたすばらしい先生方に出会いました。大村勇先生と大宮溥先生です。大村勇先生については、御言葉がそこに立っておられると感じる先生でした。特にローマ書1122節「神の慈愛と峻厳とを見よ」との御言葉を思わせる先生でした。献身して、思いがけずいただいた恵みは、これらのすばらしい先生方に教えられ、導いていただいたことです。

第二の献身は、勝田教会主任牧師となり、23年が経過した時でした。「教会成長研修」の学びに誘われ、それに加えられたことです。そこで私に起こった献身の出来事は、一言で言えば「自分の持ち物をささげることではなく、自分自身をささげきることだ」ということです。

それまでは献身については、何かを我慢するというニュアンスがつきまといました。しかし自分自身をささげきることを通して、一切なくなりました。私は神さまの御手に握られた道具なのですから。本当に「献身者の生活はいと楽し」とその恵みを味わっています。すると神さまご自身のお働きが、私のお仕えしている教会を通して為されるという経験をしています。教会開拓が始まり、新たな出張伝道所が一つ出来ました。

 

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