宣教共働について
高橋和人
教区総会資料には逝去者の名簿が載せられている。毎年五、六〇名の名前が数えられる。寡黙に教会を支えてきた人々である。
東北伝道が順調であった時代は限られていた。信仰の先達たちは風土との戦いにおいて、また経済的にも苦労を重ねてきた。さらに今日、東北は共同体を維持することができない限界集落を多く抱えている。寂れて行く町。しかし賑わいのあるところも、まねたものばかりで空疎である。教会はその中に命の実質のあるものとして立ってきた。
今、この教会を後の世代に繋いで行くことが急務である。東北教区はそのために2004年に機構改革を行った。教会の「共働」(共に働く。つまり教会の孤立をなくし互いが支え合うこと)を地区が主体となって進める。教区はそれを後押しするようにした。
教区独自に使うことのできる予算の半分にあたる規模の「宣教共働会計」を設立し、運営は地区長主体の宣教共働委員会が行う。常置委員会、宣教部委員会の人員も費用も削減した。地区が力を発揮するためと格差をなくするために再編成を行った。
動き出して5年。課題は多いが実りも見えてきている。実効あるものとするために今後も調整や改良をしていかなければならない。しかし、教会の生き生きした力は機構によって保証されるわけではない。主のいのちの言葉に結ばれていることが強められるよう願って止まない。
(東北教区総会議長)