全国から100名を越える参加者が
こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です。 (ローマの信徒への手紙
12章1節)
中高生・青年献身修養会が、プロテスタント日本伝道150周年記念大会として、2009年8月18~20日、全国教会青年同盟・西日本教会青年同盟共催で、軽井沢恵みシャレーを会場に開催された。
北海道から沖縄まで全国43教会から中学生15名、高校生18名、青年41名、さらに講師・教師・引率者を含めた105名が主に召し集められた。
この献身修養会は1970年に設立されて以来青年伝道の使命に仕えてきた全国教会青年同盟と、同趣旨で1998年に設立された西日本教会青年同盟の共同企画における最初の集会でもある。
不変の主題「キリストと教会に仕える」(ローマ12:1)のもとに、副題「日本伝道の幻に召されて」を掲げ、これからの日本伝道に仕えるため、次世代の教会を担う献身者が起されることを願うものである。
講師に近藤勝彦氏(東京神学大学学長)、佐々木美知夫氏(日本基督教団総会副議長・静岡教会牧師)、チャプレンに小倉義明氏(聖学院院長)を迎えた。
また1日目夜の讃美特別ゲストとして小坂忠氏(シンガーソングライター、ゴスペルシンガー、牧師)を迎えた。中高生と青年の講演、分団等は別であったが、各礼拝と夜のプログラムは合同で行なった。
1日目は開会礼拝より始められ、青年修養会講演Ⅰでは、佐々木氏が「使命を得て生きる幸い」と題して、次のように語った。
「信仰を持ち、教会の枝とされる者は、キリストの御体である教会が持つ使命を自分のものとして与えられ、それぞれは外すことのできない大切な石として教会に積み上げられ、主によってその使命を果たすことを通し、各個教会も教団も主の御業を進めてゆく」
「キリストと教会に仕える」意味が示された。
また自身の信仰の歩みからも「何と幸いな人生であるかを思う。ここに集められた一人ひとりも教会の枝とされ、教会の使命を共に担う聖徒の交わりとして、自分の人生を得て、喜びを持って進んで頂きたい」と語った。
2日目、講演Ⅱでは、近藤氏が、「この世界に礼拝がなされ、礼拝の群れが育てられるために」と題して、概略次のように語った。
『青年時代の悩みから、「人生に死よりも確かなものはあるか」と問い、教会の礼拝へ導かれた。「世界の主」「歴史の主」「万物の主」であるキリストが共にいてくださることの「救い」を知らされたことを通し、キリストが「死よりも確かなもの」であり、「人生の力」であることを教えられた。
キリストの救いは神の国の福音であり、教会の礼拝を通して宣べ伝えられる。そのためにキリストに召された私たちは「礼拝に生き、礼拝に仕え、礼拝する群れに奉仕する」ことで「キリストと教会に仕える」ことができるのである』
その間、2回の分団により、講演の内容を深め、さらに自由時間も語り合い、交わりを深めている姿も多く見られた。
1日目の夜は、小坂氏のコンサートを通し、キリストに生かされている喜びと讃美のひととき、2日目の夜は、「創作劇」「トーンチャイム」「聖歌隊」「創作ダンス」の各グループに分かれて、主への讃美をあらわし、青年3名の証し者が立てられ、全員の奉仕による「讃美と証しの集い」となった。
中高生修養会講演Ⅰは、小倉氏が担当、「われらの生命と使命」と題し「人間はただ身体的に生きるだけでなく、意味を求め、使命に生きる、神の器・神の道具である」と語った。
講演Ⅱでは佐々木氏が「救いは地の果てに至るまで」と題して次のように語った。
「地の果てとは、空間的だけでなく最後の一人までという意味をもつ。そして自分自身の地の果て、最も神から遠い所へもキリストは来て下さった」
さらに遣わされた安芸教会と静岡教会の創設史を振り返り、明治維新推進の地にも、佐幕派の人々にも福音は伝えられ教会が立てられた。主の和解と一致の福音伝道は、私たちの人生が用いられて進んでゆくと語った。やはり分団を通して参加者相互の親睦と講演内容が深められた。
この修養会のクライマックスは聖別会である。一人ひとりが、主が呼びかけられたことに「応答の言葉」をもって応え、献身修養会で得た恵みを分かち合った。受洗の決意、伝道献身の決意など、新しい献身の決意に満ち溢れた時となった。主の派遣命令によって、恵み溢れる思い、大きな喜びと感謝を抱かせられて、再び各地の教会に仕えるために派遣されていった。
私たちの救いのため献身され、また私たちを召してくださった主の御名を讃美する。ある牧師は「この参加者の中から多数の献身者が起されるとき、日本の教会が変わり、のみならず日本全体が変わる」と語った。 参加した中高生・青年たちが、21世紀の日本伝道を担う器として今後も神が育てて下さることを祈る。
(松本のぞみ報)