インドネシア教会訪問記 アジアメソジスト女性大会
2009.4.14~18 インドネシア・メダン市
4月14日~18日、インドネシア・メダン市(スマトラ島)において、アジアメソジスト女性大会
(World Federation of Methodist and UnitingChurch Women)が行われた。
この会は、メソジスト教会及び、メソジスト教会と合同している教会が世界規模で交わりを深め、共に学び、祈り、主のために働くことを目的とし、教派を超えた呼びかけが成されているものである。日本基督教団も準会員という立場で参加することとなった。
今回の大会は第9回東アジア大会と第8回南アジア大会が合同で行われ、10箇国から160人の代表が訪れ、地元インドネシアの信徒や奉仕者を加えると400名近い参加者が与えられた。主な参加国は韓国、シンガポール、マレーシア、香港、フィリピン、台湾、インド、スリランカ、ミャンマー、日本。開会のレセプションでは実に750名の参加者が一堂に会した。奉仕者の中にはアジア学院(栃木県)での実習経験者もおり、教団の働きが世界へと繋がっているという実感を与えられた。
主題は「アジア女性として~バリアを砕いて命を建てる」。主題聖句は「ですから、あなたがたは、現にそうしているように、励まし合い、お互いの向上に心がけなさい」(Ⅰテサロニケ5・11)。広範囲から参加者が集まっている大会に相応しく、幅広い報告や議論が見られた。
特に印象的だったのが、この会が主催して行っているスカラシップ制度の報告だった。貧困などの理由により、女性が高等教育を受けることが困難であるアジアの現状を知らされると共に、スカラシップ制度により女性が社会に出る方法を与えられ、人間としての尊厳を取り戻すことの大切さが報告された。インドでは「父親に望まぬ婚姻をさせられる未成年(人身売買)」問題を取り扱う弁護士の養成などにも関わっているなど、アジアの国々ではキリスト教と社会の関わりが深いことを感じさせられた。
ワークショップにもその傾向は反映されており、分団では「家庭問題」「健康問題(エイズ問題含む)」「信仰生活の問題」が取り上げられた。クリスチャンホームの重要性が説かれ、家族間伝道や家庭での祈りについての学びが重要視されるのは、国教がイスラム教やヒンドゥー教である国を多く抱えるアジアのキリスト者共通の課題と言えるだろう。
日本も決してこれらの問題と無縁ではない。むしろ、無宗教、無関心という環境の中で家族間伝道、家庭礼拝をもっと大切にしても良いのではないか、と思わされた。
この大会の中で、日本からは「経済的に豊かであっても、本質的に貧しい日本」のクリスチャン人口が1%未満であることが報告され、この会に新たな祈りの課題として「日本での伝道が進むように」を与えることとなった。
(辻順子報)