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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4669号】人ひととき 齊藤 實さん

2009年2月28日

「できる先輩」を目指して

十九の年に終戦を迎えた。高等商船学校を辞めるにあたっての教官の面接で「これからはあなた自身がしっかり生きていかなければならない」と教えられた。自分の中にも「俺がしっかりしなければ、日本はダメになる」との自負があった。しかし、今までの軍国主義に代わる、自分の中心に据えるものが見つからなかった 。何を中心にすればいいのか、と思いながら手に取ったのが聖書だった。
神田で路傍伝道の声を聞き、キリスト兄弟団神田教会で求道を始める。同時にYMCAの会員になった。CSにも関わり、励まされながら受洗の時を迎えた。東京都職員として働いていたが、YMCAの主事となる決意をする。当時、YMCA主事となることは献身と同じ意味を持っていた。家族は大反対だった。
夫人の三和子姉ともYMCAで出会った。「YMCAの主事の妻となる」ことを、自分自身の召命として捉えてくれた。尊い仕事であると理解し、支え続けてくれた。決して裕福ではなかったが、文句を言われたことは一度もない。「あの人の方が立派なクリスチャンなんですよ」、既に天に帰られた夫人に対して、称賛の念は今もある。
一九八一年、請われて興望館の館長となる。保育園、幼稚園、養護施設など大勢の子どもと関わることになった。何もわからない中「一人一人が神様に与えられている命であり、愛されている人格である」と考え、子どもが成長する場、その喜びを共有する場としての保育を大切にしようと考えた。保母へのカウンセリングや、地 域への証としてのページェントにも力を入れた。
YMCA百年史の執筆を通して、組織の中に息づくキリストを感じ、証することの大切さを知った。生き生きとキリスト者として生きることが、後に続く人たちへの何よりの証と考え、YMCA史学会の理事長に就任。現在YMCA130年史を編集中。「できる先輩」として後輩を啓発したい、と意欲的だ。

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