【4668号】人ひととき 平原なつこさん

神の御手の業を 留めるために

なつこさんが博士審査展に提出した三作品のうち、二つには「ルアハ」という題がつけられている。ルアハは、ご存じのようにヘブライ語の風、息、さらに霊を言う言葉だ。また今一つの作品には「燃える柴」という題が付けられている。
彼女が手がけるのは彫刻、主として木を用いる木彫である。木彫と言っても、この小さな体のどこにこれほどのエネルギーが秘められているのか、と思わせるほどに大きなものである。
二つの「ルアハ」作品のうちひとつは、大人が三、四人でやっと抱えることができるほどの樟(くすのき)の木の丸みを生かし組み合わせて、風に煽られるカーテンを掘り出してみせる。また今ひとつの「ルアハ」は、直径一・二メーターの樟の円盤の上に約九百本もの、これもやはり木から彫り出された草が立てられてあって、この上を一陣の風が吹き渡ってゆく様子を表現する。
本来、僅かばかりの風などではたわまないはずの木の木質部。しかし、この木が地に根を張って聳えていたであろうときには、枝先、葉先は吹き渡る風にさわさわと身を揺らしていたであろう、そのしなやかさを、この固い木質部で表現したユニークな作品である。
「燃える柴」もまた、燃え尽きない柴を彫るだけでなく、本来、火によって燃え尽きてしまうであろう木によって柴を輝かせている炎をも表現している。
彫刻は短時間で作ることができない。時間をかけて彫り上げてゆく。一鑿一鑿、木と取り組むこの長い時間、なつこさんがしばしば問うことは、十戒の中の彫像禁止の戒めと、また、ルターの「キリスト者の自由」の中で出会った神の僕としての在り方である。前者は自らの務めを否定的に問い、後者はこれを肯定的に問う。神に よって生かされている者として、彫刻というこのスキルをもって、神に仕え、人に仕えるにはどうしたらよいのか。博士としての歩みが始まろうとしている。

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