二〇〇八年七月二六日、銀座教会で行われた東京信徒会は熱気に包まれていた。
昨年来勉強会を通して準備してきた「日本伝道一五〇年」をどのように迎えるか、東京信徒会の方針を決定する時であった。映像「グラフで見る教団の姿」の最後に映し出された「感謝と奮起」、エンディングと同時に共感の拍手が湧き起った。
東京信徒会として、日本伝道一五〇年を記念する目的を次の言葉で表した。
「日本伝道一五〇年を迎えるに当り、この地に注がれた主のご恩寵とお導きに感謝し、更なる福音宣教の機会として、幅広い信徒が『贖罪と和解』の信仰に立って伝道に奮起する」。
一方、教団の実の姿をどう捉えたら良いのか、地に足の着いたところからスタートすべきであるとの思いから、手掛かりをこの映像に求めた。教団予決委員会の配慮によるものである。
映像は教団の実像を淡々と示すが、その中身は深刻に迫ってくるものであった。
グラフは語る。教団全教会の経常収入はこの八年間で五億七千万円の減、マイナス4.3%。これは、実はお金の問題よりも人の問題であると言う。人の問題とは現住陪餐会員の減少。その原因はどこにあるのか。それは受洗の低迷にあり、更に教団特有の超高齢構造が、同時に信徒の減少を促進していくと述べる。
超高齢構造とは、戦後二〇年間の受洗が現在までの受洗総数の63%を占めており、この世代交代が一巡するまで信徒減少は続くと分析する。つまり「受洗が召天に追いつかない」状況が到来しているのである。
全国一教会当りの年間平均受洗数は0.8人。向う一〇年間で中堅教区の一つが消える規模に達すると、危機を訴えている。
この時にあって、日本伝道一五〇年記念の年を迎えるのである。東京信徒会は、この教団の状況を厳粛に受け止め、またとない伝道のチャンスとして、「感謝と奮起」を合言葉に決意を共有したのである。
(鈴木功男報)