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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4660号】宣教師からの声

2008年10月11日

 

アジア学院での宣教

瀋 炯 旭

(基督教大韓監理会からの派遣宣教師)

アジア学院は一九七三年に栃木県那須山麓に「主イエス・キリストの愛にもとづいて、アジアの農村地域社会の人々の向上と繁栄に献身する中堅指導者を養成し、公正で平和な社会の実現に寄与すること」を使命として設立された学校です。今年創立三六年を迎えます。毎年四月~十二月までの八ヶ月間、アジア・アフリカ(時に太平洋諸島、南米)のいわゆる途上国から牧師、神父、NGO職員、農業組合リーダー、女性グループのリーダー、教師など農村の人々の暮らしを改善するために働く草の根の農村指導者を招いて指導者養成を行っています。

私は韓国のメソジスト教会の牧師であり、アジア学院の一九八三年の卒業生であります。そして二〇〇四年九月からアジア学院で宣教師スタッフとして奉仕をしています。私はアジア学院を心から愛しています。私はここで神の道具として神の使命のために働くことを心から喜びと思っています。私はここアジア学院に宣教師として送られてきてからずっと、高い使命感に燃えています。ここでは日本国中から集まる若い学生さんと会うことができますし、働きながら、またコイノニア(食堂)で食事をしながら自分の思いをそのような学生さんたちと話し合うことができます。私は共同体生活の担当職員として、アジア学院の学生達がアジア学院の研修を終了し、将来それぞれの土地で農村指導者となっていくのを手助けすることが出来ます。アジア学院の学生達が良き指導者として変化を遂げていくと、私の心は喜びにあふれ、神様への感謝でいっぱいになります。これが私が宣教師と働く原動力となります。

また時々アジア学院に以前訪問したことがある若い人達から電話やE-mailを受けることがあります。それは洗礼を受けたという報告であったり、聖書を読み始めたといったことであったり、日曜日に礼拝に出席するようになったといったことであります。これは私が受け取ったE-mailの一つです。

「バン先生。私はアジア学院での生活とアジア学院コミュニティーをとても恋しく思っています。アジア学院での夏は私と私の友人にとって神様の力を感じる上でとても意義深いものでした。私達はアジア学院で起こったたくさんのいい出来事のお陰で友情を深めることができました。彼女が自分から進んで教会に行くと言っていることを信じられますか? バンさん、チンヘさんは彼女だけでなく私のクリスチャンの良きモデルです」。

私の妻チンヘも神の使命を達成するためにアジア学院でボランティアとして働いています。彼女はアジア学院のコミュニティー一人ひとりの誕生日にケーキを焼いています。ある人は人生の中でこんな素晴らしいケーキを焼いてもらって祝ってもらったのは初めてだといってとても喜びます。そういった姿を見て私もとても嬉しくなります。

ところでアジア学院は今や世界中の農村指導者を招聘して研修を行っています。そのことを知って、なぜアジア学院という名前をアジア・アフリカ学院、あるいはアジア・アフリカ・太平洋学院にしないのかという質問が時々あります。実はこれには訳があります。アジア学院の設立には、第二次世界大戦で日本がアジア諸国に行った罪責に対する神への贖罪が込められています。日本が行った多くの残忍な行為への責の告白、謝罪、そしてその贖罪を行いとしてあらわしていくために、アジア学院は「アジア」という名前を学校名に刻んでいかなければならないのです。どうか皆さん、アジア学院のため、アジア学院の学生、卒業生、そして貧困にあえぐ人々のために働くアジア学院の使命のためにお祈り下さい。

(翻訳/荒川朋子)

 

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