【4659号】第11回 部落解放青年ゼミナール

11回 部落解放青年ゼミナール

毎年夏に行われる部落解放青年ゼミナール。11回目となる今年は、85日(火)~8日(金)にかけて、大阪のいずみ教会を会場に、北は北海道から南は九州まで、また遠くアメリカからも参加者があり、計74名で行なわれました。

今回のテーマは『めしまだかぁ?まだやったらうちおいで~』。このテーマの意味は、ずばり「一緒にめしを食う」ことです。これには、単に机上の学びや研修に終わるのではなく、共に食卓を囲んで語らい、一人一人自分が「解放」される雰囲気の中から、被差別部落の置かれた歴史と「今」を感じる場をつくりたいという、企画者の意図がありました。また聖書では、差別や抑圧に苦しみ、嘆く人々を招き、解放の場を先取りして示した「イエスの食卓」を、今この時代にあって大切にしたいという願いが込められていました。

さて今回、その食卓に並んだ料理は、この地方の被差別部落で食されてきた”さいぼし”や”あぶらかす”、”フク(牛の内臓)の天ぷら”、またブラジルの奴隷料理として伝えられるフェィジョアーダ(黒豆と豚の耳、舌、干し肉などを煮たもの)などなど…差別や貧困、迫害という苦難の歴史の過程で生まれ、受け継がれてきた「ソウルフード(心の料理)」ともいうべき料理の数々です。参加者はその一つ一つの料理の説明と、それが食される経緯について学びつつ、「味わう」ことを通して、被差別の歴史を学ぶことができました。

またその他のプログラムでは、例年通り行なわれる入門講座や狭山事件についての学習、フィールドワーク(現場研修)に加え、参加者が自ら演じる参加型解放劇、一人一人が「解放」のテーマを歌や踊り、劇や一芸などで表現するLiberation Cup(リベレーション・カップ、Liberラテン語で「自由」の意味)という時間も設けられ、真剣さと笑いとの絶えない雰囲気の中、4日間があっという間に過ぎていきました。会場となったいずみ教会の礼拝堂には、参加者が誰ともなく持ち寄ったギター数本にマンドリン、チェロ、一五一会(ギターのような新楽器)に三線、ジャンベ、ウクレレなど楽器の数々、常にどこかから音楽が聞こえ、また真剣な語らいは毎日夜遅くまで続けられていました。

総じて「青年ゼミ」のいい所は、部落差別の歴史や今を、「知識」として学ぶのではなく、その場にあって具体的な一人の人の「生の声」と出会い、自分自身が変えられていく場が用意されている点にあるのでしょう。

今回も様々な良き出会いが与えられたことに大きな感謝です。

(新堀真之報)


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