【4869号】人ひととき 末光 眞希さん 「神様の出来事」に聞く科学者として

 「聖書は、神様の出来事の実験ノート」、応用物理学者、そして熱心なキリスト者である末光眞希さんは、2つの足場を結び付けてこう語る。

 クリスチャン4代目、親戚の信仰を辿れば主要な教派を網羅する「教派のデパート」のような家系に生まれた。大学紛争の残り火がくすぶる時代、確固たる人生の指針を求め、主イエスに尋ねて行く信仰を与えられた。大学生の頃から通う仙台東一番丁教会で、長老、聖歌隊指揮者、奏楽者、教会学校校長等の奉仕を担う。

 一方、仕事は、高校時代に物理に関心を持ち、東北大学で学んだ後、研究者の道に進んだ。電気通信分野で最先端を行く東北大学電気通信研究所で、半導体結晶薄膜の成長を研究して来た。

 「理系の人間と聖書の信仰は相性が良い」と末光さんは語る。神学者・大崎節郎氏のバルト研究会に参加する中で、「信仰の対極は思弁」、「思弁としてではなく事柄として」との言葉が印象に残った。まず「事柄」があり、信仰が起こり、神学が立ち上がるという流れは、実験によって事柄と向かい合う理論物理学の在り方と似ていると思ったのだそうだ。

 研究を本務としつつ、東北大学で教鞭を執る末光さん。「人間が設けた区分けの中で、自分の関心の中に閉じこもることから自由になる力を養い、違ってみえることの中にあるつながりを見出す喜びを味わってほしい。そこに真の教養がある」と語る。

 信仰者として研究と教育に真摯に携わる姿勢が注目され、15年~16年、河北新報科学欄のコラム連載を依頼された。毎回、周囲にある二項対立の図式を取り上げ、違いを知りつつ、一つ上の高みに出ることに役立つ思考の補助線を引くことを目指した。

 「神様の出来事」に聞く一人の科学者を通して、確かに証しの出来事が起こっている。

1953年、札幌市生まれ。仙台東一番丁教会員。

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