【4860・61号】宣教師からの声 番外編 宮城学院創設期の女性宣教師たちの働き 嶋田 順好 (宮城学院学院長)

日本への宣教師派遣
 宮城学院の基礎を築いたのは、合衆国改革派教会の外国伝道局が派遣した宣教師たちである。このボードは1838年に組織され、その使命は「全世界に出て行って、すべての造られしものに福音を宣べ伝えよ」とされていた。しかしながら、最初の35年間は本格的な活動がなされず、再組織会議が開かれ、伝道先を日本に決定したのは1873年のことであった。最初の宣教師A.D.グリングが委員会から派遣され、日本に到着したのは1879年のことで、それから1889年までの10年間に、ボードは4人の男性宣教師と3人の女性宣教師を送り出したのである。

宮城女学校創立
 女性宣教師であるエリザベス(リズィー)R.プールボーとメアリー B.オールトの2人は、グリング宣教師夫人のハティが、日本に女性宣教師を派遣する必要性を訴えたことに応えた女性たちだった。この2人は日本の少女に福音に基づく教育を施し、当時の社会の中で虐げられていた女性たちを救うという使命をもって1886年、仙台の地に赴くことになった。2人は東京に比べると未開の地であり、未だ十分な発展を遂げてはいないが、東北では一番大きな都市であった仙台に伝道の拠点を定め、宮城女学校(現在の宮城学院)の草創期の教育にあたった。

 プールボーを初代校長とし、8人の生徒と、外国人2人、日本人女性2人の教師によって、2階建ての一般家屋を借りてスタートした宮城女学校は、瞬く間に評判となる。宮城県には未だ女学校がなかった時代、通行人が足を止めて格子窓の中の授業の様子を覗き込むなど、一躍仙台の新名物、新名所となったのである。

 第2年度のプールボーの年次報告(1888年)によると、在籍数は48人、洗礼を受けた生徒が12人、他にも受洗志願者が3人いること、毎日1時間の聖書講話の時間を生徒たちが大切にしていること、3分の2の生徒が日曜学校に出席しており、残りの生徒は他の日曜学校の手伝いに行っていることなどが記されている。プールボーの祈りと働きが日本の少女の心にも伝わり、着実に実を結んでいったことが分かる。

プールボー宣教師、オールト宣教師の生涯
 30歳で日本への宣教を出願したプールボーは、1854年12月27日にペンシルヴァニアのバーリンで生まれ、ヨーク高校を卒業後、公立学校の教師をしていた。彼女が日本に来るとき、6歳になる姪のサラ・キャザリン(愛称キティ)を同道していた。出産する時に亡くなった義理の姉に代わって姪を養育していたのだ。日本での7年間にわたる校長職を終えてアメリカに戻ったプールボーは、コート牧師と結婚し、牧師夫人として夫を支えた。その最期はキティの家族と暮らし、彼女の遺灰は心から愛した日本を偲ぶため、日本庭園を模して作った自宅の庭に撒かれたとのことである。

 もう一人の女性宣教師オールトは、1863年ペンシルヴァニア州メキャニスバーグで牧師の娘として生まれ、7歳の頃から海外伝道の宣教師になることを夢見る女性だった。1888年6月にオールトは合衆国改革派教会3人目の宣教師として派遣されていたホーイ牧師と結婚し、1937年、中国の漢口で亡くなるまで生涯のすべてを夫と共に海外伝道に捧げた。

女性宣教師と宣教師の妻たち
 この初期の10人に続き、宮城学院がボードを通して受け入れた宣教師は1985年までに148人にもなる。彼ら、彼女らはどの時代においても心を尽くして宮城学院の教壇に立ち、教育に携わった。そのうちの116人が女性宣教師であった。この数には夫と共に仙台の地に赴任した宣教師の妻たちは入っていない。グリングに続き、2番目に日本に派遣されたJ.P.モールの妻アニーや、D.B.シュネーダーの妻アンナも、女性の地位の向上と福祉に大きな関心を持ち、キリストの愛に貫かれた生涯を日本の女性たちのために捧げた。

 彼女たちは、教会と宮城女学校(宮城学院)を支えたのみならず、東北における幼児教育や、病に苦しむ人々、更には試練にさらされる女性たちにも目を向け、地域社会の変革に大きな影響と感化をもたらした。つまり、なお封建的な気風が根強く残る日本社会の中で、福音に根ざしたキリスト者の生活を実践することによって、神のもとにおける平等と人格的な交わりのモデルを示すということにおいて大きな貢献を果たしたのである。

宮城学院卒業生
 宮城女学校の女性宣教師たちは皆、授業で聖書や英語を教えるだけでなく、学生の人格を重んじ、その生活のすべてに配慮し、模範となる優しい母であり姉であった。宣教師たちの願いは「生徒たちが結婚し、クリスチャンホームを築くことで次に生まれてくる子どもたち、そしてその次の世代にキリスト教を広げていけることだろう」ということにあった。多くの宣教師の祈りと献身のもと、宮城学院は、たくさんの心豊かな卒業生を世に送り続けることができたのである。
(Kyodan Newsletterより)

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