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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4856号】伝道のともしび この地にある教会としての歩み 鈴木 稔久

2017年3月11日

 川俣教会は福島県伊達郡川俣町にあります。福島市から南に20㎞程の山間の町です。人口は現在1万3660人です。町では唯一のキリスト教会で、今年創立110周年です。

 2011年の東日本大震災で町の公共施設等に大きな被害が出ました。町役場は解体されましたが、昨年11月に新庁舎が完成しました。教会では、礼拝堂、牧師館、墓地の道路に被害が生じました。

 続く福島第一原発の爆発により、放射能汚染を受けました。川俣町は原発から40㎞の所にありますが、雨と雪の影響で、町に隣接している飯舘村と、川俣町の山木屋地区は、計画的避難区域になりました。尚、山木屋地区は、今年3月末に避難指示が解除されます。

 大きな余震により、教会の被害は益々大きくなりました。3か所の工事を同時に考えることはとても混乱することでした。しかし教団や教区、そして多くの皆様の支援や援助、助言をいただき、2012年度に墓地道路復旧工事、牧師館建替工事、礼拝堂改修工事を次々と行うことが出来ました。

 礼拝堂と牧師館、墓地の敷地内の除染作業が町によって行われたのは2014年のことでした。除染では、高い放射能を減らすために、建物の屋根や外壁を高圧洗浄したり、特殊なタオルで擦り取ったり、通路や庭の表土を削り取って砕石や土を敷いたりします。植木等も短くしました。町中で除染を実施したことにより、放射線量が大分下がり安堵しました。除染期間中、除染の仕事をしている秋田県出身のクリスチャン男性2名が礼拝に出席され感謝でした。

 2016年度は10月に久しぶりにミニバザーを行いました。避難区域になった飯舘村から東京に避難した教会員の女性が、向こうで製作した手芸品等を沢山送って下さり、バザー等で使ってもらえたらと手紙に記されていたことがきっかけでした。こちらの教会員も品物を持寄り、思いがけずバザーが実現したのです。

 11月には、2名の幼児祝福式を行いました。

 9月に男性の洗礼式を行いました。既に彼の母親と娘さんが教会員でしたが、2人の祈りがあり、彼も教会に出席するようになったのです。私は2012年度から、同じ福島地区の飯坂教会の代務をさせていただいておりますが、昨年12月に飯坂教会で洗礼式が行われました。私が代務する前から求道していた青年です。受洗した本人たちの晴れやかな表情と共に、それぞれの教会の人々が洗礼式を心から喜んでいる様子に、これからも伝道・牧会に励んで行きたいと思いました。

 そしてクリスマス祝会では、教会員3名によるバイオリンとピアノ演奏会を行いました。大震災に見舞われた中で、連続20回目でした。

 今後も、教会の方々と心を合わせ力強く歩んで行きたいと思います。全国の教会と皆様のお祈りとお支えを感謝いたします。
(東北教区・川俣教会牧師)

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